2020 Fiscal Year Research-status Report
農山漁村地域における住民の対外国人意識に関する研究
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20K20082
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Research Institution | The University of Fukuchiyama |
Principal Investigator |
張 明軍 福知山公立大学, 地域経営学部, 助教 (20785307)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ステレオタイプ / 新型コロナウイルス感染症 / アフターコロナ / 意識変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年度の取り組みは主に既往研究へのレビューと調査対象地に関する情報の取集を中心にして行った。 第1に、社会心理学の中にあるステレオタイプ、偏見、差別に関する既往研究を踏まえ、新型コロナウイルス感染によるパンデミック及び東京オリンピック大会の開催の影響で国々の人に対する認知が大きく変容していると予想する。日本国内にも多くの自治体は外国の方に対する不当な偏見等の行動を行わないようと呼び掛けている。アフターコロナのインバウンド観光に関して、地域住民の対外国人意識の研究の重要性を改めたと同時に、仮定した対外国人意識行動モデルを修正し、対外国人意識の規定要因の一つとして、衛生安全意識を追加できた。今後、衛生安全意識に関する既往研究のレビューを行い、衛生安全意識を測れる質問項目を検討する。 第2に、選出した調査対象地に関する情報収集を行った結果、京都府北部市町村において外国人住民が増え、総人口の約 1.23%を占め、地域住民が主体となって構成する国際交流団体やボランティア団体などによる日本語教育、異文化交流活動、及び生活支援などが行われている。しかし、支援を行う各団体は担い手不足、外国人支援対象者や活動の参加者の固定化等の課題を抱えていることがわかった。また、コロナ禍の影響による意識変容を把握する必要があり、新たな研究対象地として京都府伊根町を追加することにした。2018年に実施した伊根町住民観光意識に関する調査の結果と比較し、住民意識の変容の実態を把握できる。そして、住民意識の変容に基づき、対外国人の行動パターン及び対応策が解明できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当初予定した住民への聞き取り調査とワークショップの開催を延期にし、アンケート調査実施に関して、自治体との打診もスケジュール化にならず、初期段階に留まっている。繰り返される緊急事態宣言の発出に応じたこともあり、全国民のワクチン接種、或いはコロナ終息までに対面式の研究活動を控えることにしたため、当初の計画より遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後について、第1に、引き続き文献調査を行い、仮説モデルの適合性を検討する。第2に、アンケートの設計及び設問作成の作業を繰り上げ、プレ調査の実施を試みる。プレ調査の結果を踏まえて、アンケートの修正を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、住民への聞き取り調査とワークショップの開催を延期にしたことにより、人件費、会場運営費や交通費等の支出は発生しなかった。アンケート調査実施に関する事前調整を十分行うことができず、旅費等の支出も発生しなかった。今後、一部計画を繰り上げ、参考資料の購入、プレ調査の実施、データ分析に助成金の使用を予定している。
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