2021 Fiscal Year Research-status Report
温泉地における廃業宿泊施設の取壊しと跡地再利用に関する研究
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20K20087
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西川 亮 立教大学, 観光学部, 准教授 (70824829)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 温泉地 / 観光 / 廃業旅館 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に次の研究を遂行した。 1)全国の廃業旅館介入事例の悉皆的調査:2020年度に購入した全国廃業宿泊施設データを用いて北海道から関東地方までの約3000件の廃業旅館のその後の事業継続性や廃業跡地の更新実態を整理した。このような悉皆的な調査は全国で初の試みであり、特に先進事例と考えられる廃業旅館跡地利用事例を抽出することができた。具体的には、農園化(浅間温泉)、広場化(月岡温泉)、まちおこしセンター化(土湯温泉)、道の駅化(十勝川温泉)などである。引き続き、関東以南の実態についても把握し、全国の廃業旅館跡地更新の全国的な動向を明らかにする。その結果を踏まえて2022年度中に論文執筆を目指す。 2)マーケット側に対するアンケート調査の実施:温泉地利用者へのアンケート調査(三重県鳥羽市と比較のために全国中都市を対象)を実施し、宿泊客の温泉観光地に対する需要を把握している。2022年度に分析を加え、2023年度建築学会学術論文梗概集への投稿を目指す。 3)地域外資本による廃業旅館買収実態調査の準備:日本の温泉地で代表的なチェーン展開を行なっている宿泊事業者に対するアンケート調査の準備を行なった。既往研究及びこれまでの地域へのヒアリング結果などを踏まえて、設問項目を決定した。2022年度中にアンケート調査を実施し、分析の上、論文化を目指す。 4)現地調査については、新型コロナの影響でほとんど実施できていないため、2022年度に収集的に実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・新型コロナの影響により、十分な現地調査ができなかったこと ・2021年度より准教授に着任し、新規担当科目が3科目増加し、その準備に追われたこと、及び、学内会議などが助教(2020年度)時に比べ格段に増加し、十分な研究時間を確保できなかったことによる
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は所属する大学での担当科目増加などにより十分な研究時間を確保できなかったが、2022年度はそれも落ち着くため、研究時間を確保できるものと思われる。2020年度より継続している、全国の廃業旅館更新事例の悉皆調査を完成させるとともに、2021年度の成果である鳥羽市等アンケートの分析や全国チェーンホテルへのアンケート調査を行い、得られた成果の論文化を行う。
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Causes of Carryover |
2021年度は、学内業務の増加や新型コロナウイルス感染症拡大による出張の制限により、当初予定していた研究が十分に遂行できたとは言い難い。そのため、次年度使用額が生じた。2022年度は、研究に必要な時間の確保とともに2021年度に遂行できなかった研究も含めて実施をする予定である。具体的には、現地調査の実施、アンケート調査の実施を予定している。
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Research Products
(2 results)