2023 Fiscal Year Annual Research Report
日本におけるVFR旅行の実態と成立プロセスー訪日中国人を事例に
Project/Area Number |
20K20088
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Research Institution | Tama University |
Principal Investigator |
李 崗 多摩大学, グローバルスタディーズ学部, 准教授 (60832657)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | VFR旅行 / 関係(guan'xi) / インバウンド観光 / 中国人新移民 / 中国人コミュニティ / ソーシャルメディア / 親族・友人訪問 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の2023年度には、新型コロナウイルスの世界的大流行を経て、中国人によるVFR旅行はどのように変化しているのか、日中両国の観光現状と関連研究の動向を追いながら、日本滞在中の中国人VFR旅行の関係者を対象に参与観察と聞き取り調査を継続して実施した。他国・地域との比較を通して在日中国人コミュニティや訪日中国人旅行者の特徴を浮かび上がらせるするため、2010年代以降、中国人新移民の進出が盛んなカンボジアの事例を補助線として導入し、現地調査を行った。具体的には、以下の3点について文献研究、現地調査、オンライン調査を進めた。 ①VFR旅行と観光復興:VFR旅行が地震や感染症といった自然災害に対して強靭性を持つとされ、コロナ後の観光復興にも期待されている。コロナ後、日本におけるVFR旅行の回復状況と観光地の取組について関連情報の収集、文献調査、関係者へのインタビュー調査を行った。 ②中国人VFR旅行者の旅行経験とホスト=ゲストの関係:日本在住の中国人が組織したバーチャルコミュニティでにて参与観察を行い、オンラインでの情報収集と聞き取り調査を実施した。感染症への警戒といった理由で、新しい調査協力者を見つけるのが困難を伴ったため、ある程度信頼関係を築いた既存の協力者にインタビューを実施し、コロナ前後の変化について調査した。 ③カンボジアにおける中国人移民コミュニティの変容と旅行動向:これまでの調査から、およそ2010年以降日本を含め、中国人新移民の国際移動が加速するようになったことが明らかとなった。比較の視点を導入する必要があると判断し、中国人旅行者の増加が顕著なカンボジア・シアヌークビルにて中国新移民の流入がもたらした観光地の変容について現地調査を実施した。
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Research Products
(7 results)