2020 Fiscal Year Research-status Report
複合差別を克服するための支援者の学習―カナダの先住民女性のコミュニティの事例
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20K20093
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
矢内 琴江 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成・院), 特命助教 (60732667)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インターセクショナリティ / 複合差別 / フェミニズム / 組織学習 / 実践コミュニティ / 先住民 / カナダ / ケベック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、カナダにおけるパートナーからの暴力を受けた先住民女性の支援コミュニティ・ミシナクの実践分析を通して、マイノリティ女性たちが経験している複合差別の克服をめざす実践の中で、支援者自身がいかに学び、実践を向上させていっているのか、そのプロセスを明らかにすることである。2020年度は、主に次の3点に取り組んだ。①本研究におけるキー概念となるインターセクショナリティの概念を日本語・英語・フランス語の文献調査から吟味検討した。②組織学習論に関する文献の検討 ③カナダの先住民女性のための支援コミュニティ・ミシナクの設立者へのインタビュー記録(2018年実施)をもとに、支援者の学習プロセスとコミュニティの形成プロセスを分析した。これらの成果は、「抑圧の歴史から信頼の歴史へ―カナダの先住民女性の支援コミュニティが生み出す知―」(『ジェンダー研究21』、vol. 10、2021、p.26-52)に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナの影響で現地でのインタビュー調査を実施したり、予定していたケベック大学リムスキー校のリュシー・ジェリノー教授とのセミナーなどが実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続きカナダへの渡航は難しいと考えるので、オンラインでのインタビューなどを考慮にいれる。また、日本語の翻訳されていない文献の翻訳を集中的に実施する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響でカナダや東京への出張などが不可能であったため。今年度は、オンラインでのインタビューやセミナー実施のための環境を整備して、可能な限り実施していきたい。また、日本語の翻訳されていない重要な文献(組織学習論、またはカナダの先住民女性問題を位置づける上で重要なカナダのフェミニズムや女性の歴史の文献)を翻訳し、出版製本したい。
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Research Products
(1 results)