2020 Fiscal Year Research-status Report
高輝度短パルス中性子ビーム生成に向けた、高速パルスECRイオン源の開発研究
Project/Area Number |
20K20111
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
池田 翔太 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 特別研究員 (10845746)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ECRイオン源 / 陽子ビーム / 小型中性子源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高速スイッチパルス電源による高価数イオンビーム引き出し方を採用した、短パルスイオン源を開発及び原理実証をおこない、短パルスビーム生成・イオン種分析測定を実施することで、高価数パルスイオンビーム生成における高速パルス引き出しの有用性を明らかにする。 研究初年度は、①ECRイオン源からビームを引き出すための電極系の設計製作のと②パルス高圧電源の検討について行った。①に関しては、まず、3次元ビームシミュレーションソフトウェアを用いて、ECRプラズマから引き出されるビームの軌道を解析し、陽子ビームの規格化エミッタンスが最小となるようにプラズマ電極と引き出し電極、リペラー電極の間隔・電極内径を設計した。 次に②に関しては、3次元ビームシミュレーションにより設計したプラズマチェンバー・引き出し電極系の配置からプラズマチェンバーと真空容器間の静電容量を見積もることで、引き出し電圧の立ち上がり時間50 n秒以内を満たすために必要な高速スイッチパルス電源のピーク電流量を概算した。概算結果より、高速スイッチパルス電源に要求される仕様はピーク電流量:50 A、耐電圧:40 kV、最小パルス幅:1マイクロ秒未満となった。そのため仕様を満たす高速スイッチパルス電源が当初の予定より高額なとなったが、パルス幅1マイクロ秒未満の短パルスイオンビームを実現するためその電源を選定した。 以上の検討結果をもとに、ビーム引き出し電極系を含めたECRイオン源、パルス高圧電源の製作・構築をおこなっており、ECRイオン源の製作は既に完了している。また、パルス高圧電源についても、その構成装置である、直流高圧電源や高速スイッチング装置の調達が完了しており、パルス高圧電源の構築が済み次第、動作試験をおこなっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で使用する高速スイッチパルスの仕様が当初から変更となったが、高速2020年度の研究実施計画に基づき、ビーム引き出し電極系の設計製作とパルス高圧電源の構築が概ね完了し、2021年度で実施予定である短パルスイオンビーム発生試験やビーム特性評価の準備に進めることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
スイッチ高圧電源の動作試験として、ECRイオン源を負荷側に接続した状態での、電圧印加試験をおこない、パルス電圧の立ち上がり時間、パルス波形、耐圧性の評価をおこなう。特に、立ち上がりや立下り時にリップルが発生しする場合は、抵抗素子を取り付けることで、負荷側との負荷を調整し、電圧のリップルを抑制することを考えている。 更に、構築したパルス高圧電源と引き出し電極系を組み込んだECRイオン源を用いて、ビーム引き出し試験をおこない、ビームパルス波形、ピーク電流量、イオン種分布を測定・評価することで、パルスビーム引き出しによるビーム特性を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
高速スイッチパルス電源の仕様を再検討したところ、短パルスイオンビーム発生を実現するには当初の予定より高額な高速スイッチパルス電源が必要となり、それに伴い、その他2020年度に調達する消耗品等についても再検討したため。 使用計画としては、短パルスイオンビーム発生試験やビーム特性評価に向けて、次年度に必要となる備品や消耗品を調達していく。また、本研究成果を関連分野の国際会議や国内学会に報告するための旅費として使用する予定である。
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