2021 Fiscal Year Research-status Report
Verification of the design method for urban greenery space with indirect-benefit contributing to the realization of a sustainable society
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20K20114
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
藤山 真美子 お茶の水女子大学, 文理融合 AI・データサイエンスセンター, 准教授 (40638425)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Singapore / Skyrise Greenery / 間接的便益 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シンガポールの集約的都市緑化空間形態に着目し、多機能性・地域性・事業性を創出するための都市・建築デザイン手法を検証するものである。シンガポールの緑化空間は、低炭素社会実現や市民の福祉向上を通じて、自然が持つ多様な便益を複合的に実現しており、建国以来、同国の重要な都市要素となっている。これまでに、緑化政策の変遷や生態学的便益の最適化を検証した研究等が行われているものの、建築・都市デザインの視点から空間形態的特徴を取り扱ったものは限定的である。本研究では、同国における、定性的観点を含めた緑化空間評価を軸に発展する緑化政策プロセスと集約的都市緑化空間形態の関係性に着目し、都市緑化空間が持つ多機能性・地域性・事業性を創出するための方法論において、特に間接的便益の発生に着目して調査を進めている。
2021年度は、主に1)都市空間における緑化政策プロセスの歴史に関して、緑道や公園がパブリック概念と共に形成され始めた産業革命期前後のヨーロッパ・米国における歴史的背景と実践事例 2)近年の都市デザインにおいて、グリーンインフラストラクチャーの視点から、単機能にとどまらない動的な都市機能を有する事例等に着目して文献調査を進めた。また、Singapore Institute of technology(シンガポール工科大学)における、Automation and Control in buildingの授業にゲスト講師としてオンライン参加し、The Potential for Digital Transformation based on "Cohesive Design of Polyvalent Place"のタイトルで、レクチャーを行い、同大学の学生や研究者らと意見交換を行った。レクチャーの一部で、集約的都市緑化空間がもたらす都市的便益の複層性について、シンガポールの緑化政策の歴史も踏まえた議論を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
申請者は、東北大学研究者海外派遣事業によって2020年度シンガポールへの派遣が決まっていたが、COVID-19の影響で渡航延期となった。当初の本研究計画は、渡航後(2020年度)の現地調査をベースに予定していたが、2021年度も渡航制限が続き、さらに所属大学を東北大学からお茶の水女子大学へ異動したことから、当初予定していた海外派遣計画は白紙となった。特にフィールド調査のフェーズに関しては、申請時の予定から大幅に状況が変わったため、2022年度に短期渡航を実現して計画を執行できるよう、全体計画の再検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
シンガポールでは、新規建物への緑化規定LUSH(Landscaping for Urban Space and High-rises)と既存建物への緑化推進政策SGIS(Skyrise Greenery Incentive Scheme)によって、限られた国土の中でより密度の高い緑化都市へ貢献するための緑化建物に対する規制制度や 補助金制度を進めている。本研究では、これら壁面緑化や屋上緑化等を建築物に立体的に織り込んだSkyrise Greenery(緑化建物)と呼ばれる同国特有の集約的都市緑化空間形態を対象として、現地調査を予定していた。しかし、COVID-19の影響により本研究のフィールド調査のベースとなる予定であった海外派遣事業が白紙になったことから、シンガポールの政府機関がオープンソース化しているGIS等のデータをベースにした研究手法の変更と2022年度の短期渡航を組みわせる形で、研究計画全体の見直しを進めている。
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Causes of Carryover |
申請者は、東北大学研究者海外派遣事業によって2020年度シンガポールへの派遣が決まっていたが、COVID-19の影響で渡航延期となった。当初の本研究計画は、渡航後(2020年度)の現地調査をベースに予定していたが、2021年度も渡航制限が続き、さらに2021年12月に所属大学を異動したため、派遣計画は白紙となった。このような状況から、2021年度には、研究計画全体の大幅な見直しが必要となったため、本研究の研究期間を1年間延長することとした。
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Remarks |
国際共同研究名:Urban-metabolic Farming-module (副題)a novel farming module towards eco-resilient megacity farm scape in 2030
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Research Products
(1 results)