2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on method of product design with "imagination margin"
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20K20120
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
影山 友章 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 講師 (90856486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 余白の大きさ / 余白の許容量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、“製品やサービスを使用する過程でユーザーが介入できる余地”を「余白」と捉え、それらの余白を製品デザインに組み込むことで、利便性の追求とは異なる価値である「不便益」を生み出すことを目指している。一昨年度の研究では、ユーザーが介入できる余白を備えた製品サンプルとして、その日の気分やファッションに合わせて、ネイルポリッシュで自分色に着彩できる白磁器アクセサリー、「ironna」を創出した。そして昨年度は、「ironna」を用いた評価実験を実施した。 手間や労力のかかる体験の中にある益である「不便益」は、ユーザーの状態や属性次第で、その手間や労力をネガティブに捉える「不便“害”」となってしまう場合がある。現状の不便益の考え方にはユーザーの状態や属性が加味されていないことが、“不便益とは単なる懐古主義である”等の誤解を招く原因の一つになっていると考えることができる。本研究では、製品側がユーザーに委ねる操作や調整への介入度合い(余白の大きさ)と、それらの介入を受け入れるユーザー側の許容量(余白の許容量)の関係性を整理することが、適切な不便益をもたらす製品やサービスの創造につながると考えた。そして、ironnaを用いた評価実験では、余白の大きさが異なる3種類のironnaを用意し、各被験者がどの「余白の大きさ」を最も好むのかと、被験者の“手先の器用さ”や“絵を描くことの好き嫌い”から算出した「余白の許容量」の相関関係を調査した。結果、15名の被験者の最も好んだ「余白の大きさ」と各被験者の「余白の許容量」には、正の相関があることが確認できた。これは、設計された手間や労力の大きさと、ユーザー側のそれらを受け入れる許容量が一致しない限り、手間や労力をポジティブに捉える「主観的不便益」が得られないことを実証したといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一昨年度に創出した余白を備えた製品サンプル(ironna)を用いた評価実験を、予定通り実施することができた。また、実験結果も興味深く、被験者の時間的余裕の主観評価は、不便益の創出にあまり影響しないことなど、新しい知見を得ることができた。上記の製品サンプル創出、評価実験の結果を2022年度日本デザイン学会第3支部研究発表会で口頭発表し、優秀発表賞を受賞するなど、外部的な評価も得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となる今年は、研究成果の発表に注力する予定である。2022年度日本デザイン学会第3支部研究発表会で発表した内容をもとに、実験結果の更なる詳細分析を行う。そして、デザイン学研究への論文投稿を行う予定である。また、余白を備えた新しい製品サンプルの創出も継続予定で、新しい研究テーマへの足掛かりとして、「モノへの愛着」と余白の関係性も探求予定である。
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Causes of Carryover |
前年度は新型コロナウィルスの混乱がまだ残っており、海外での情報収集ができなかったことが差額が生じた最大の理由である。
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Research Products
(1 results)