2022 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者および晴眼者、車輪を有する機器の利用を考慮した屋内歩行誘導床材の開発
Project/Area Number |
20K20126
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山田 崇史 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (70779826)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 誘導 / 床材 / 認識しやすさ / 歩行しやすさ / 歩行実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、視覚障害者および晴眼者、車輪がある機器が走行する場所においても、お互いの障壁とならない利用環境を作り出すことができる歩行誘導床材を設計・製作することである。そして、建築物内において、受付や窓口から職員などによる誘導を行わなくても、視覚障害をもつ利用者が目的地まで行くことができ、施設の人的コスト削減につながることや、病院や福祉施設の他、不特定多数の歩行者や機器が走行する施設内(例えば、空港や駅舎など公共施設)において施設利用者の利便性を向上させることを目指す研究である。 2022年度に実施することになっていた内容は、1.歩行誘導床材の形状設計と床材の試作、2.加速度センサーを用いた歩行誘導床材の振動解析である。過年度に特許を取得した内容に基づき、歩行誘導床材の線状突起凸部が湾曲している試作物を複数作成し、台車を用いた走行実験による振動測定を行い、振動特性を評価した。そして、車いすなど車輪を有する機器への振動の影響が小さく、視覚障害者の誘導が可能である線状突起形状について検討した。JIS規格と有意差が見られない形状は、幅13.5mm・高さ5.0mmである。この寸法より、幅を広げることや高さを低くすることで、JIS規格と比べて、振動レベルを低減させることが可能になる。今後は、歩行者による歩行実験を行い、歩行感覚を評価を行うことで、視覚障害者および晴眼者にとって、より使用しやすい歩行誘導床材の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題応募時に示した内容である1.歩行誘導床材の形状設計と床材の試作と2.加速度センサーを用いた歩行誘導床材の振動解析を行うことができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は以下のように研究を計画する。 1.歩行誘導床材の形状設計 2022年度に実施した内容を踏まえ、複数形状の床材を製作する。 2.歩行誘導床材の歩行実験ならびに評価 視覚障害者ならびに晴眼者を対象として歩行実験を行い、開発した床材の使い勝手を検証する。
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Causes of Carryover |
試作物の製作にあたり、試作物の納品および費用の支出が次年度にまたがることになったためである。使用計画は、滑りにくさを考慮した誘導マット試作物の製作である。
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