2020 Fiscal Year Research-status Report
異質情報ネットワークマイニングによる金融市場における情報アクセスの向上
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20K20130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久野 遼平 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (60725018)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ネットワーク学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標はビッグデータの集合体をノレッジグラフとして統合し、ネットワークやテキストマイニングをベースにした分析技術を開発することで、市場参加者が多角的な情報の中から必要な知見を、合理的かつ広範囲に検索するための基盤技術を創成することである。 研究の初年度である本年度は大規模ニュースデータからものごとに対する人々の捉え方の違いを分析する手法の開発に取り組んだ。ニュースデータはダウ・ジョーンズから購入しデータの整理作業にも取り組んだ。手法についても荒っぽいプロトタイプは完成しており学会誌にも投稿済みである。しかしながら細かい点にまだまだ改善の余地があるためその修正にとりかかっている。具体的にはテキストから情報を抽出する深層学習技術に関して適切なドメイン適応手法を検討している。 その他にも多角的なノレッジグラフを創るために今まで利用してこなかったようなデータにも分析範囲を広げた。具体的には各国のスマート制裁リストにエンティティを追加するタイミングのデータである。これらのデータを用いることでどの国が先に動きどの国が追従したかを抽出し外交政策上のパワーバランスに光をあてることができるようになる。当該研究ではヘルムホルツホッジ分解を用いることで外交政策の影響ネットワークの階層構造を抽出することに成功した。本研究は論文化し国際発表も行った。 今後は手法のさらに深化を深めると同時に新たにデータを取得し、構築しているノレッジグラフをさらにリッチにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データを取得し整理作業は完成している。プロトタイプではあるが、本課題の核となるモデル開発も完成した。研究計画書で書いたこと以上に新たな対象についても分析範囲を広げた。
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイプの改善策を試みる。因果チェーン以外の新たな方法も検討する。
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Causes of Carryover |
データの購入費用が思いのほかかさんだためである。
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