2021 Fiscal Year Research-status Report
文章の数量分析による西鶴を中心とした浮世草子の著者および成立年代の解明
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20K20133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上阪 彩香 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 特任助教(常勤) (60780252)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 近世文学作品 / デジタル化 / 統計科学 / トピックモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
井原西鶴は近世文学を語る上で欠かすことのできない俳諧師・作家である。しかしながら、西鶴の浮世草子が偽作・補作であるという疑惑やその成立年代が明確にわかっていない等、近世文学界では未だ論争が繰り広げられている。本研究では、数量分析を用いて帰属不明の浮世草子作品の著者問題を解明することを目的とする。 令和3年度には、①西鶴弟子の北条団水の浮世草子5作品を新たにデジタル化した。さらに、②本研究課題にて、多変量解析及びLDAトピックモデリングを用いた分析によって得られた研究成果を公表した。 ①西鶴弟子の団水作とされる『男女色競馬』『一夜船』『本朝知恵鑑』『日本新永代蔵』『諸宗鐵槌論』のデジタル化作業に取り組み、研究課題の開始当初に予定していたデジタル化作業を完了した。 ②『テキストアナリティクス7巻 文学と言語コーパスのマイニング(岩波書店)』の「第2章 古典文学の数理的研究と実例」に研究成果をまとめた。また、西鶴著とされる浮世草子24作品を対象にLDAトピックモデリングを行った本研究課題の研究成果の一部を16th International Conference of the European Association for Japanese Studiesにて発表した。本研究課題では、物語の内容と文書の数量的特徴との関連性を検討するため、物語の内容に関連がある名詞、動詞、形容詞に焦点を当て、文書データから物語の内容の特徴を把握することを試みた。また、浮世草子作品を文書データとして用いたトピックモデルによって、名詞、動詞、形容詞に着目することは物語の内容を分類するのに有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定の工程をほぼ完了しており、その成果を書籍、国際会議において公表・発表していることから、本研究は順調に進展していると考えられる。また、令和4年度には、The Asia Future Conference(Taiwan)での研究成果の発表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度の研究成果を踏まえ、①西鶴質疑本に提起されている著者への疑問の解明、②分析に用いる変数・手法の検討、③研究成果の公表に重点を置き研究を進める。 ①これまでの研究で用いてきた主成分分析、クラスター分析、アンサンブル学習法に加え、トピックモデリング等の分析手法を用いて、西鶴、団水、同時代に活躍した浮世草子作家の文章の特徴把握を試み、西鶴質疑本をはじめとした著者への疑問が提出されている作品について検討する。 ②著者の特徴や描かれている内容を把握する変数・手法を研究する。 ③上記の研究成果をThe Asia Future Conference (Taiwan)をはじめとした国内・海外の学会にて積極的に発表する。研究終了時には研究成果をまとめ論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度の繰り越しのため、当初予定した使用計画より少ない額の執行となった。繰り越した分の予算については、令和4年度のデータの作成及び研究成果発表に充当する。
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Research Products
(4 results)