2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K20139
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
河合 将志 国立情報学研究所, オープンサイエンス基盤研究センター, 特任研究員 (10856090)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オープンアクセス / 機関リポジトリ / Open Access / Institutional Repository |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、機関リポジトリにおける学術雑誌論文の件数と図書館員によるオープンアクセス推進活動の因果関係についての定量的な実証に加え、その結果にもとづく機関リポジトリの機能開発をおこなった。初年度には定量的な実証に取り組み、情報知識学会誌に掲載された論文(機関リポジトリによるオープンアクセス進捗率の因果分析)において、学術雑誌論文の件数を増やすうえで、オープンアクセス推進活動のうちの学術雑誌論文提供依頼が特に効果的であることを示した。本来の研究計画では、初年度に得られた定量的な実証の結果にもとづき、最終年度には定性的な実証に取り組む予定であった。具体的には、詳細な因果関係を把握するため、学術雑誌論文提供依頼が成功する条件を、大学におけるインタビューなどの実地調査を通して明確化する予定であったが、新型コロナウィルスの影響により実施が困難になった。そこで、実地調査なしにデータを収集できるよう、最終年度には機関リポジトリの機能開発に取り組み、学術雑誌論文提供依頼についてのメモ機能を国立情報学研究所が開発したJAIRO Cloudに付加した。運用には至っていないものの、本機能により集積される学術雑誌論文提供依頼についての作業メモを分析することで、それが成功する条件を明確化できると見込まれる。例えば、特定の学部の研究者に対する学術雑誌論文提供依頼が成功する傾向にあるといった、詳細な因果関係を把握できると期待される。
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