2023 Fiscal Year Annual Research Report
Meta recognition in fish: Comfirm by using the ability of mirror self-recognition in cleaner wrasse
Project/Area Number |
20K20154
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
十川 俊平 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任研究員 (70854107)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ホンソメワケベラ / 鏡像自己認知 / メタ認知 / 自己意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は鏡像自己認知が確認されたホンソメワケベラで、メタ認知を確認することである。メタ認知とは、自己の自信や知識の有無を自覚し、それに応じて行動を変えることができる能力で、最高次の自己意識であると言われている。先行研究で、本種は鏡を見ることで自身の正確な体調を把握し、同種他個体との闘争の際にその情報を利用していることが明らかになった。そこで、本種に鏡を見せた後、様々な時間鏡を見ないインターバルを置き、対象個体の自信の体長に関する記憶をあいまいにさせ、その後自身より10%小さい、10%大きい同種他個体のモデルを提示した。もし、対象個体が自身の体長に関する記憶があいまいになっているのを自覚していたなら、鏡を見ていない時間が長ければ長いほど、自身より大きいモデルとの闘争を決定するまでの時間が長くなり、鏡を使って再度自身の体長を確認する頻度も増えるはずである。結果、対象個体は自身より10%大きいモデルに対して6時間鏡を見なかったときより18時間鏡を見なかったときの方が、より高い頻度でモデルと鏡を行き来した。一方、10%小さいモデルに対しては6時間でも18時間でも行動に差は見られなかった。これらの結果は、単に鏡を見ない時間が長ければかがみを再確認する時間が長くなるという可能性を否定し、自身より大きい可能性のあるモデルに対し、意図して自身の体長を再確認していることを示唆している。つまり、ホンソメワケベラは鏡で見た自身の正確な体長に関する記憶が曖昧になっていることを自覚し、メタ認知していると言える。本研究で得られた諸々の成果は2023年度日本動物行動学会で発表し、現在論文を執筆中である。
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