2021 Fiscal Year Research-status Report
A clinical study for practical application of bilirubin measurement system using color pictures of newborns
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20K20173
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
香山 一憲 日本大学, 医学部, 研究医員 (50815404)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カラー静止画像 / 経皮ビリルビン / 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
カラー静止画像による経皮ビリルビン測定システムの実用化開発が本研究課題である。2020年度には、カラー静止画像から新生児の皮膚のビリルビンを解析し、血清総ビリルビン濃度に相当する経皮ビリルビン値の相関アルゴリズムの作成を行った。専用照明により新生児の皮膚へ照明を照射する。照明光に含まれている青色光、緑色光、赤色光はそれぞれ皮下組織への到達距離が異なり、波長が短い青色光、緑色光、赤色光の順に深部まで到達する。入射光は皮下組織で散乱し、皮下組織に存在するビリルビンによる黄染を青色光(B)、緑色光(G) 、赤色光(R)の減衰した戻り光をカメラで画像として獲得する。得られた画像から光学濃度差(B、G、Rの差)を解析して黄疸値を算出する。非接触計測のため外乱光の影響を低減するために、専用照明を点灯した場合と消灯した場合の画像を瞬時に獲得し、外乱光を除去する手法を行った。9症例のデータをもとに、画像にE=Median (B)/Median (G)の処理を適用し、既存の接触型経皮ビリルビン値とR2=0.8994の性能が得られる事がわかった。さらに、処理の安定性を確認するため、臨床画像を4分割し、それぞれで処理を行うことで、RGB値から接触型経皮ビリルビン値を推定する手法を実現した。 2021年度の計画である在胎35週以上の新生児100例のカラー静止画像から新生児の皮膚のビリルビンを解析し、血清総ビリルビン濃度に相当する経皮ビリルビン値の相関アルゴリズムの作成に向けてのデータ解析を終えた。それをもとに新たなプレ撮影カメラを作成した。新たに6症例で検討し、精度はJaundice MeterとはR2=0.9106であったが、 血清総ビリルビン濃度とはR2=0.8261であり、その外れ値の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2020年度には、対象は10例で、カラー静止画像による経皮ビリルビン測定システムの実用化開発であった。その結果、カラー静止画像から新生児の皮膚のビリルビンを解析し、高い相関性を有する血清総ビリルビン濃度に相当する経皮ビリルビン値の相関アルゴリズムができた。このように、当初の計画通り、C.E.Shannonのチャンネル容量の法則を用いてシグナル/ノイズ比を上げ、RGB Color Depth方式を画像に適応し、環境光源の影響、皮膚表面の反射光、深部反射光を判別し、緑色光と赤色光からの深部反射光の差分を検出することで、カラー静止画像から経皮ビリルビンを測定できることが明らかになった。2021年度の計画である在胎35週以上の新生児100例のカラー静止画像から新生児の皮膚のビリルビンを解析し、血清総ビリルビン濃度に相当する経皮ビリルビン値の相関アルゴリズムの作成に向けてもデータ解析を終え、新たなプレ撮影カメラを作成した。それゆえ、「当初の計画以上に進展している」と評価している。新たに6症例で検討し、精度はJaundice MeterとはR2=0.9106であったが、 血清総ビリルビン濃度とはR2=0.8261であり、その外れ値の検討を行っている。しかし、外れ値が生じ、その検討を行っている。 2022年度は、最終的に得られた最適なアルゴリズムを用いて、血清総ビリルビン濃度に相当する経皮ビリルビン値の相関アルゴリズムを決め、そのコンピュータプログラムを最終作成する。直接ビリルビン濃度(酵素法)の影響があるかも検証する。既存のJaundice Meterの経皮ビリルビン値との比較も引き続き行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、C.E.Shannonのチャンネル容量の法則を用いてシグナル/ノイズ比を上げ、RGB Color Depth方式を画像に適応し、環境光源の影響、皮膚表面の反射光、深部反射光を判別し、緑色光と赤色光からの深部反射光の差分を検出することで、カラー静止画像から経皮ビリルビンを測定できることが明らかになった。さらに、2021年度は、在胎35週以上の新生児100例のカラー静止画像から新生児の皮膚のビリルビンを解析し、血清総ビリルビン濃度に相当する経皮ビリルビン値の相関アルゴリズムの作成に向けてもデータ解析を終え、それをもとに新たなプレ撮影カメラを作成した。2022年度は、最終的に得られた最適なアルゴリズムを用いて、血清総ビリルビン濃度に相当する経皮ビリルビン値の相関アルゴリズムを決め、そのコンピュータプログラムを最終作成する。直接ビリルビン濃度(酵素法)の影響があるかも検証する。既存のJaundice Meterの経皮ビリルビン値との比較も引き続き行う予定である。 さらに、日本大学板橋病院で出生する在胎35週以上の多数例の新生児を対象に、本カラー画像の経皮ビリルビン値と血清総ビリルビン濃度および我が国で承認の得られているJaundice Meterの経皮ビリルビン値でピアソンの相関分析およびBland-Altman分析を用いて検証する。同時に小児科医、研修医、看護師で測定値のばらつきがないか変動係数から検証することなどを進めていく。
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