2022 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of three-dimensional osteochondral model by multilayered scaffold-free tissue
Project/Area Number |
20K20181
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
KIM JEONGHYUN 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20844591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3次元培養 / 軟骨 / 骨 / 骨細胞 / 肥大軟骨 / 分化 / 多細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要(800文字) 本研究では、研究代表者がこれまでに開発した3次元細胞組織体の骨scaffold-free tissue(SFT)を軟骨SFTと合わせることで骨-軟骨(osteochondral)モデルの構築を目的とする。以下に、本年度中の主な研究実施内容と、得られた結果をまとめる。 1. 軟骨SFTの評価 マウス軟骨前駆細胞(ATDC5)を用いスフェロイド(spheroid)型SFTを作製し、軟骨モデルとしての機能評価を行った。化学刺激である分化誘導剤無しでも培養4日目からスフェロイドは大きくなり、長期培養後には軟骨細胞分化マーカーが大きく上昇した。また、4週間の長期培養後にはスフェロイド内の個々の細胞の肥大化と共にスフェロイド中心部からアポトーシスが観察された。これは、軟骨内骨化の初期段階に見られる現象であり、3次元培養により得られた結果である。 2. SFT内の多細胞挙動観察 3次元SFT培養モデルのin vitroにおける多細胞挙動を評価した。ヒト間葉系幹細胞由来スフェロイドを用い、次の3つの実験を行った。①スフェロイドのサイズ変化観察、 ②2つのスフェロイドの合体実験(fusion experiment)、③スフェロイドのコラーゲンゲル埋込実験を行い、化学刺激である分化誘導剤によりスフェロイド内の多細胞挙動が大きく変化することが明らかになった。また、この変化はスフェロイド外側に形成されるアクチンフィラメント(actin filaments)によるものだということがわかった。これらの結果は、骨SFTと軟骨SFTの積層化時に予想される多細胞挙動を予想できるだけでなく、スフェロイド移植後生体内におけるin vivo多細胞挙動を予測できると考えられる。
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