2021 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚-心電用ドライ電極間の接触圧力変化が心電図波形に与える影響の解明
Project/Area Number |
20K20191
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹下 俊弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (90784124)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 心電図 / モーションアーティファクト / ウェアラブル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ドライ電極を有する衣類を用いた心電図モニタリングにおける、モーションアーティファクト(MA)の解明と低減・除去である。ドライ電極を用いた心電図測定においては、皮膚-電極間の接触圧変化によって発生する接触インピーダンスの変化が心電図波形に影響を与える、いわゆるMAが問題となる。MAが発生すると、心電波形の変形が体動によるものか実際の心電異常によるものか判別が困難となる。本研究では皮膚ファントムを用いたMA定量評価装置を作製し、皮膚-電極界面の接触状態を再現することで、接触圧力と心電図に発生するMAの再現を行い、その関係性の解明に取り組んだ。 皮膚ファントム-電極面の接触圧力が500Pa、相対変位量が呼吸程度の動きである200um,深呼吸程度の動きである500um,それ以上の動きである1000umにおいて、MA定量評価を行ったところ、それらの波形とMAのない波形の相関係数が、0.92、0.74、0.53となった。これらの心電波形及び相関係数の結果を共同研究者である医師が確認し、相関係数0.9以上の波形をMA非発生の閾値として設定した。この結果から変位量200um接触圧力500Pa以上において、呼吸程度の動きに対してMAなく心電図計測可能であるという知見が得られた。また得られた知見に基づいてドライ電極を立体形状にして局所的接触圧力を500Pa以上にした多誘導心電図計測ウェアの作製した。さらに作製したウェアを用いて多誘導心電図計測の実証試験を行った結果、得られた指標通り呼吸程度の動きにおいてはMAが除去された安定した心電図計測が可能であるという結果が得られた。
|