2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell-containing porous material using novel cell transfer method and its application to tissue regeneration and three-dimensional cell culture
Project/Area Number |
20K20198
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
根岸 淳 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (60722634)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多孔質材料 / 真空加圧含浸 / 3次元培養 / 組織再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織再生や細胞の3次元培養において、材料の表面から内部までの連通孔を有する多孔質材料が使用されている。生体内や生体外において、孔を介して細胞が多孔質材料内部に浸潤することが期待されているが、多孔質材料の素材や孔のサイズによっては細胞浸潤しないことが問題となっている。一般的な多孔質材料への細胞播種は細胞遊走の時間が必要なことや遊走性の低い細胞には適用できないため、新たな多孔質材料への細胞導入法が求められている。本研究では、真空加圧含浸法を用いた新規細胞導入法の確立および細胞含有多孔質材料の3次元培養と組織再生への応用可能性を検討した。 疎水性の高いポリ乳酸材料は、播種法ではほとんど線維芽細胞が導入されなかったが、真空処理および真空加圧含浸処理によって線維芽細胞を材料内部まで導入可能なことを明らかにした。また、ポリ乳酸材料に導入された線維芽細胞が材料内で増殖することを確認し、含浸処理が多孔質材料への細胞導入に有用なことを見出した。 続いて、高密度コラーゲン材料への脂肪由来幹細胞の導入を実施し、真空処理によって高効率な細胞導入が可能なことを明らかにした。また、脂肪由来幹細胞を導入したコラーゲン材料を脂肪分化培地で培養することで、脂肪細胞への分化誘導が可能なことを明らかにし、含浸処理で作製した細胞含有多孔質材料の3次元培養への応用可能性を見出した。さらに、ラット皮下埋植試験において、細胞を導入していないコラーゲン材料と比較して、脂肪由来幹細胞を導入したコラーゲン材料に多くの細胞が浸潤し、組織再生が促進されることを明らかにした。以上から、含浸処理を用いた細胞導入法の確立と細胞含有多孔質の3次元培養および組織再生への応用可能性を明らかにした。
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Research Products
(4 results)