2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of self-replicable flavivirus vector stably expressing foreign gene
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20K20200
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小瀧 将裕 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (10758816)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フラビウイルス / ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子導入法の開発は遺伝子治療、ワクチン開発などに有用である。DNAプラスミド、mRNA、ウイルスベクターなどの戦略があるが、ウイルスベクターは導入効率および選択的指向性の面で有望である。フラビウイルスは安全性、腫瘍溶解性などの点で優れた増殖型ウイルスベクターとなり得る。しかし、ベクター中の外来遺伝子はRNA組換えにより速やかに排除される。外来遺伝子を安定的に発現するベクターは未だに成功例がない。RNA組換えの機構は不明な点が多いことが、ベクター開発の妨げとなっている。そこで本研究では、RNA変異原を用いた網羅的な変異ウイルス作製により、RNA組換えを防ぎ、外来遺伝子を安定化する変異の同定を試みた。 変異原であるリバビリンの存在下で、レポーター遺伝子を有するフラビウイルスを10回継代した。結果、ほとんどのウイルスがレポーター遺伝子発現を失った。レポーター遺伝子を失ったウイルスは増殖が早く、主流になったと考えられる。そこで、ウイルス液の限界希釈を行い、レポーターウイルスのみを再度単離した。現在はそれを用いて、さらにリバビリン存在下での継代を行っている。 また、フラビウイルス弱毒ワクチンの安全性を活かした非増殖型ウイルスベクターへの応用を考え、SARS-CoV-2 Sタンパクを発現するフラビウイルスレプリコンを構築した。構築したレプリコンRNAを培養細胞内に導入したところ、Sタンパクの発現が確認された。現在はタンパク発現量の解析、マウスへの免疫を行い、ワクチンとしての応用可能性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、レポーターウイルスがテキサス大学より分与される予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により大幅な遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き変異原の存在下でのウイルス継代を行い、レポーター遺伝子安定化に関与する変異の同定を行う。また、SARS-CoV-2 Sタンパク発現レプリコンを利用したウイルスベクター構築を検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、当初より研究計画に遅れが生じたため次年度使用額が生じた。 細胞培養、ウイルス解析用試薬の購入に充てる。
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