2020 Fiscal Year Research-status Report
Engineering of a skin model containing hair follicles
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20K20208
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Research Institution | Kanagawa Institute of Industrial Sclence and Technology |
Principal Investigator |
景山 達斗 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 「再生毛髪の大量調整革新技術開発」プロジェクト, 研究員(任期有) (40822177)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 毛包 / 培養皮膚 / 毛包原基 / in vitroモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、毛包を備えた皮膚モデル構築法と毛髪再生効率を向上させる上で必要な細胞種の検討を行った。培養皮膚モデルの構築法について、当初想定していた毛包原基を単に皮膚モデルに挿入する方法では、毛髪の再生は見られず、培養方法の改良を行った。検討を進めるうちに、胎児皮膚の上皮系細胞と間葉系細胞をシングルセルの状態で、セルカルチャーインサート内で培養すると、2種類の細胞が自己組織化により皮膚の層状構造を形成し、その中に毛包類似構造を含む培養皮膚モデルを形成することを見出した。この毛包類似構造の数が、播種細胞数に依存して増加することも確認している。しかし、再生する毛髪の向きがコントロールできず、毛周期も持たない点については、改善の余地がある。培養方法の改良を進め、これらの課題を解決していきたい。また毛髪再生効率を向上させる上で必要な細胞種について、毛包周囲に存在する血管内皮細胞と脂肪細胞、脂肪幹細胞、多血小板血漿を検討した。血管内皮細胞や脂肪幹細胞、多血小板血漿は、毛包を構成する細胞と共培養することで発毛関連遺伝子と毛髪再生効率を有意に向上させることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、毛包を備えた皮膚組織の構築方法を見出し、毛髪再生に必要な毛包周囲の細胞を選定した。これらの成果は、3本の国際論文投稿に至っている。また予備検討において、毛髪再生効率に大きく関わるLEF遺伝子を強制発現させることに成功しており、今後この細胞を用いることで、多数の毛髪を含む皮膚モデルが構築できる可能性がある。以上、当初の予定通り、毛包を備えた皮膚モデル構築に関する基盤技術を開発し、毛髪を再生するために適した条件を見出していることから、自己評価としておおむね順調に研究が進んでいると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、毛髪再生効率向上に有効性が認められたLEF遺伝子を強制発現した細胞や毛包周囲細胞(血管内皮細胞と脂肪幹細胞)、それらの組み合わせを検討し、毛包を備えた皮膚モデルとして、最適な条件を見出す。さらに、生体外モデルとしての機能を評価するため、①皮膚刺激性試験、②皮膚透過性試験、③薬剤機能性試験を進める。得られた試験結果は、既存の動物実験及び動物実験代替実験のデータと照合することで、作製したモデルが天然皮膚と同等の評価ができるか有用性を評価する。
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Research Products
(4 results)