2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of multifunctional composite magnetic micro@nano particles and application to next generation cancer hyperthermia
Project/Area Number |
20K20210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
TON・THAT LOI 東北大学, 工学研究科, 助教 (90844499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磁気ハイパーサーミア / 磁性ナノ粒子合成 / 磁性微粒子磁気特性 / 加熱技術 / 測温技術 / 医療応用 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌は世界でも日本でも主要な死因の一つであり,その治療技術の高度化は急務である。本研究では高機能磁性微粒子を開発すると共に,実用化に向けてこれまでに研究開発している磁気温熱治療システムを高度化することを目的としている。 初年度(2020年度)では,磁気温熱療法に適した高機能磁性微粒子の開発を目的とし,熱分解法で磁性ナノ粒子を新たに合成し,超常磁性を有する単分散酸化鉄ナノ粒子を得ることに成功した。また,界面活性剤の添加や温度・時間調節などの合成条件を最適化することによりナノ粒子の粒径を制御できた。さらに,合成した磁性ナノ粒子のサイズと形状を透過電子顕微鏡により観察し,振動試料型磁力計により磁化特性を測定し,SQUID式磁気特性測定システムにより直流・交流磁化特性(温度依存性も含む)を評価し,新たな知見も得られた。 当初の計画に加えて,誘導加熱電源や光ファイバー温度計等を導入し,癌磁気温熱療法に向けた簡易型高周波誘導加熱システムを試作し,それを使用して合成した磁性ナノ粒子の発熱特性を評価した。さらに,PID制御機構を加えて自動定温加熱治療システムを開発することにも成功した。今は学内研究者と共同研究を通して動物実験で評価している。また,体内に埋め込まれた磁性微粒子を8の字コイルと磁場印加検知ユニットの空間的な直線走査により低コストかつ簡便にワイヤレスで定位できる方法を新たに考案し,in vitroでその妥当性を確認した。 当該研究期間に得られた研究成果を基に,国内の学会(第44回日本磁気学会学術講演会シンポジウム@招待講演,etc),国際学会(2020 Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials,etc)で発表し,論文も米国学会誌(IEEE Transactions on Magnetics,etc)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画として,磁気温熱療法に向けた磁性ナノ粒子を合成し,その磁気特性や発熱特性等を評価した。それに加えて,体内に埋め込まれた磁性微粒子を簡単かつ迅速に定位できる方法を新たに考案し,磁気温熱療法に向けた簡易型自動定温加熱システムを開発することに成功した。これらを勘案し,当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では,前年度に合成した磁性ナノ粒子を使用して,感温磁性微粒子(現有のもの又は新たに合成するもの)と混合することで,高い発熱効率であり,かつ高い感温性(高い透磁率)を有する多機能型磁性微粒子を開発する予定である。 初年度は,当初の計画以上に進展したので,臨床応用に向けて試作した簡易型自動定温加熱システムの性能をより高めると共に,それらを用いて動物実験での評価も行う予定である。
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Research Products
(11 results)