2021 Fiscal Year Research-status Report
痛みを感じる義手:振動刺激に基づく違和感フィードバックと人間らしい制御の試み
Project/Area Number |
20K20212
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
芝軒 太郎 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (70711290)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋電義手 / 触覚フィードバック / 運動情報 / 感覚情報 / 生体信号インタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,筋電義手における触覚フィードバックについて,まず振動刺激に基づく違和感フィードバックモデルのプロトタイプを提案するとともに,健常者を対象とした感性評価を行った.提案システムは,本研究課題で開発中の3Dプリンタブル筋電義手の指先に感圧センサを装着し,把持対象物との接触を検知した後,センサ値に応じたフィードバックを振動子を用いて実現する.実験では,人が行う操作と感覚フィードバックのタイミングのずれによる違和感に着目し,振動刺激の遅延による感じ方の評価を行った.結果より遅延時間が約0.4 [s] 付近まで違和感が上昇し,その後徐々に低下することが明らかになった.また,振動刺激を付与した際の身体への影響評価として,足踏み時の身体動揺を両耳介付近の定常振動刺激により低減できることを明らかにした [The 2022 International Conference on Artificial Life and Robotics (ICAROB2022)]. さらに,これら得られた知見を元に,生物の身体動作と内部状態を動画像処理により1台のビデオカメラのみで評価可能なモニタリングシステムを開発した.提案システムでは得られた動画像に対し,背景差分処理により重心軌跡,色情報抽出により心拍情報を同時に取得でき,抽出した運動情報と内部状態から計測対象の日常的な行動と異なる行動を検知可能である.実験では音刺激を付与し,刺激前後の行動の変化を検知できる可能性を示した.その他,生体信号制御インタフェースの衝突回避モデルに基づく協調制御法等を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1.振動刺激に基づく触覚フィードバックについて,感覚および身体動揺への影響について明らかにできた点 2.生物における運動情報と内部状態の評価の可能性を実現できた点
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Strategy for Future Research Activity |
筋電義手における新たな触覚フィードバックモデルについて検討を進めるとともに,振動刺激が身体や感覚に与える影響について多角的な評価を行う予定である.
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Causes of Carryover |
筋電義手制御のための触覚フィードバック法において進展があり,十分な研究成果を得るために本年度は計画を変更し,触覚刺激が身体動作に与える影響などの基礎的な検証を行ったため. 触覚フィードバックモデル構築のための機器購入,フィードバックの効果検証および筋電義手の制御評価のための環境構築に使用する予定である.
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Research Products
(5 results)