2021 Fiscal Year Research-status Report
Influence assesment to the human body of the ultrasonic controlled growing rod system for spinal implants
Project/Area Number |
20K20219
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
北野 雄大 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30754600)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 超音波 / 医療機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は大まかに3つの関連研究を進め、4つの論文の発表を行った。 初めに、伸縮ロッドシステムの動作を安定させるため、動作環境の検証を行った。過去の研究ではロッドシステムに余荷重が加わる状態を想定していない。しかし、本研究が想定する環境では脊椎の成長や変形により、ロッドシステムに荷重が加わる可能性がある。装着者の成長を想定し、ロッドシステムの長軸方向に引張荷重をかけ、ロッドシステムの動作の変化を検証した。検証結果をまとめ、発表した。 次にロッド取り付け用ナットの締め付けトルクによる挙動の変化を検証した。過去の研究では締め付けトルクを医療現場で利用されているブレイキングナットを基準としていた。しかし、締め付けトルクは超音波駆動に大きな影響を与えるため、適切なトルクであるかの検証を行った。計測は水中で音圧測定専用プローブ120A16を用いて行われ、計測結果をFFT解析することで評価した。検証結果をまとめ、発表した。 次にロッドシステムの持つ自動停止機能について検証を行った。開発したロッドシステムはロッド長軸方向の余荷重により挙動が変化することが上記の研究にて分かった。特に注目すべき特徴として特定の点で挙動が停止する点があげられる。これはロッドが動くことで余荷重が変化し、特定の点で変化量が極端に小さくなることが原因である。この特徴を利用して自動停止機能の実現が可能であることを提案し、検証を行った。検証結果について2つの論文にまとめ、発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はロッドシステムを人体へ埋め込む際のリスクと課題の明確化を予定していた。そのため、食肉などの畜産物を利用した模型を作成して動作実験を行うことを予定していた。また、2020年度に実施予定であった音響出力指標の算出も予定されていた。研究の進捗状況はやや遅延が見られる。 2021年度の遅延の原因は生体構造再現の難しさにある。本研究では食肉での構造再現を想定していた。2021年度はまず初めにロッドシステムを食肉に取り付け、動作検証を行った。検証の結果からロッドシステムの挙動が変化していることが確認された。その後、いくつかのヒアリングと検証から、より厳密な生体構造の再現にはロッド長軸方向の余荷重の評価が必要であることが分かった。ロッドシステムは余荷重をかけた状態での検証は実施して無い為、追加の検証が必要となり、全体の作業が遅延した。しかし、これらの検証により、ロッドシステムの自動停止機能が提案された。当機能は2022年度に想定していた実用を想定した改良にあたるため、遅延の解消が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度にてロッドシステムのロッド長軸方向の余荷重に対する検証が一定の成果を得た。その為、2022年度は2021年度に予定していた音響出力指標の算出を実施する予定である。また、当初の予定として運用を想定した改良を予定しており、改良に関する検証とヒアリングを行う予定である。
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Causes of Carryover |
購入関連費用の使用計画は概ね予定通りに行われている。旅費と人件費に関しては一昨年から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により、変更が生じている。
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Research Products
(4 results)