2020 Fiscal Year Research-status Report
肺がん候補病変の定量解析が可能なトモシンセシスシステムの開発
Project/Area Number |
20K20224
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
倉本 卓 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (90645582)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トモシンセシス / 画像診断 / 肺がん / がん検診 / 画質評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺がんは我が国の死亡原因の第1位であり,その診断にはCT検査が重要な役割を担っている.しかし,CT検査は放射線被ばく線量が高く,検査費用も高い問題がある.一方,トモシンセシスは,CT検査と比較して低い放射線被ばく線量で,高い空間分解能を有した画像を取得することができる.本研究の目的は,肺がん病変の定量解析が可能なトモシンセシスシステムの開発を目指すことである. 本年度はトモシンセシス画像のスライス厚,歪み,検出器内の不均一性,面内に投影された物質の長さなどの画像特性を定量的に評価する為のファントムを,メーカーと協議を重ね,独自に開発した.今後は,このファントムを使用し,トモシンセシス画像の定量的な特性評価を行う.また,その基礎データを使用し,トモシンセシス画像上に描出された肺がん病変の体積と位置を定量的にな評価する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨今の新型コロナウイルス感染症の流行により,所属機関内で緊急事態宣言に基づいた研究活動の大幅な制限がなされた.緊急事態宣言解除後も,感染予防対策において,一定の対応が求められ,新規データの取得が十分にできなかった.また,入構制限措置もあり,ファントムの開発のためのメーカーとの打ち合わせが予定の期日に行えなかった.急遽必要となったオンライン環境等の整備にも時間を要し,予定よりも大幅な遅れが生じた.さらに,申請者は医療従事者であるため,コロナウイルス感染症の対応業務に多大な時間を要したこともその理由と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
開発したファントムを使用して,引き続き画像取得を行い,トモシンセシス画像の特性を定量的に把握する予定である.また,その結果を十分に考慮し,必要に応じてファントムの一部改良を行うことも検討する.これらの結果を基に,トモシンセシス画像上に描出された肺がん病変の体積と位置の定量的な評価を行うための基礎データの構築を目指す.
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Causes of Carryover |
予定していたファントム,ノート型データ取得用パーソナルコンピュータや画像解析用ソフトを購入することができず,別品で対応したため差額が生じた.次年度,それらの購入,および成果発表するための海外旅費や国際誌への投稿料として使用予定である.
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Research Products
(10 results)