2022 Fiscal Year Research-status Report
胸部X線動態撮影による特発性間質性肺炎患者の肺局所換気血流の評価
Project/Area Number |
20K20226
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
二階堂 雄文 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20583347)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | デジタルX線動画撮影(DDR) / 間質性肺炎 / 横隔膜動態 / 肺野面積 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:近年、大視野のフラットパネルディテクタを用いた胸部X線撮影の臨床応用が試みられており、この技術により呼吸中に高い時間分解能で胸部X線写真を連続的に撮影することができるようになった。自然呼吸下における全胸部動態的画像を収集し、得られた動画像に解析を加えることで、肺換気血流動態、横隔膜運動、肺実質の動的観察が可能となり、その臨床応用が期待されている。 目的:デジタルX線動画撮影(DDR)より得られる呼吸周期に伴う横隔膜動態、肺野面積の変動が、間質性肺炎患者において臨床的な生理運動検査指標や重症度と関連し、病状を評価する際に有用であるかを検討する。 方法:当科に入院した間質性肺炎患者で同意が得られ動態X線撮影を施行した14例(全37データ)を解析対象とした。指標として呼吸周期に伴う横隔膜運動の変位量、肺野面積の変化率を計測し、呼吸生理機能、運動耐用能、疾患重症度との関連を評価した。 結果:臥位における安静時横隔膜運動の呼吸変位量、肺野面積の変化率は%FVC、6分間歩行試験での最低SpO2値と負の相関、疾患重症度であるGAPスコアと正の相関を示した。肺野面積の変化率は横隔膜変位量と比較して各パラメータとの相関が高い結果であった。 結論:動態X線撮影を用いた横隔膜運動動態、肺野面積の変動は間質性肺炎患者の病状評価に有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
間質性肺炎患者の登録症例数が少なく、またコントロールのための健常者登録も目標数より少ない。コロナ禍で精査入院、呼吸機能検査等検査施行に制限があったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
健常コントロールとともに患者の登録を継続し増やしていく。
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Causes of Carryover |
登録患者数が予定より少なかったことで各種検査にかかる費用が見積もりより少なかった。またコロナ禍で予定していた海外学会に参加できず、国内の学会、研究会もオンラインんであったことなどが主な理由である。次年度に遅れを取り戻しつつ、必要費用として次年度使用額とした。
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