2021 Fiscal Year Research-status Report
両手MRI像を用いた関節リウマチ診断のためのコンピュータ支援診断システムの開発
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20K20231
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中村 舞 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50805504)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンピュータ支援診断 / 関節リウマチ / MRI検査 / ディープラーニング / 畳み込みニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは両手MR画像を用いて、関節リウマチ(RA)を早期発見・早期診断するためのコンピュータ支援診断システムの開発に取り組んでいる。MRI検査は単純X線検査では評価困難であったRA発症初期の骨病変を描出でき、さらに骨病変の前駆症状である滑膜炎および骨髄浮腫を描出可能である。RA病変は脂肪抑制T2強調画像上で高信号に描出されることから、脂肪抑制T2強調画像から病変の抽出を試みたが、高信号となる血管とRA病変を分離することが困難であった。 そこでわれわれは、RA病変がMR画像上において手指骨上または手指骨周囲に発症することから、まずは手指骨を選択的に抽出することを試みた。骨領域が高信号に描出されるT1強調画像(マトリクスサイズ512×512 pixels)を使用し、各症例の左右の手指骨の画像データ(スライス厚3 mm× 9~11スライス)について、スライスベースでの評価を行った。 まず画像解析ソフトImageJを用いて、オリジナル画像の各スライス上で手指骨領域を手動でマークし、ラベル画像を作成した。つぎに、オリジナル画像とラベル画像について、128 pixelsオーバーラップさせた256×256 pixelsの画像を切り出し、パッチ画像を作成した。このスライスベースの画像データセットを、学習用画像と評価用画像に分類し、SONY社製Neural Network Console でU-netによる手指骨領域の自動抽出を行った。U-netにより出力された手指骨抽出画像は固定しきい値法を用いて2値化処理し、ラベル画像とのDice係数を算出して類似度を評価した。スライスベースで求めた平均Dice係数は0.868であり、概ね良好な自動抽出の結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
畳み込みニューラルネットワークのひとつであるU-netを用いて、T1強調画像から手指骨を選択的に抽出することができた。手指骨抽出画像は、今後のRA病変検出のためのCAD研究に有用であると考える。よって、計画通りにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
U-netを用いた脂肪抑制T2強調画像におけるRA病変の検出を行う。両手MR画像をコンピュータを用いて解析することにより、定量的な解析結果を読影医に掲示システムを構築することを目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、国外の学術大会へ出席困難であったため、学会出席用の旅費等の予算を執行することができなかったため。
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Research Products
(1 results)