2023 Fiscal Year Annual Research Report
核医学領域におけるヒトの見え方に基づいた画質評価法の確立
Project/Area Number |
20K20240
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
細川 翔太 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (20790554)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 画質評価 / 核医学 / 顕著性 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、近年の非線形処理を施された核医学画像の画質評価方法を開発することを目的としている。 最終年度に実施された研究の成果として、以前の課題として挙げられていた複数スライス間での病変の視認性に関して、顕著性の特徴量「フリッカー」を用いた画質評価を行った。2022年度に投稿した論文において均一なファントム画像における評価指標として有効であることが確認されたが、臨床画像においても適用可能であるか検討を行った。臨床画像のようにスライス間での構造物の変化が大きい場合、この特徴量が正常な構造においても影響を受けるため、適用が困難な課題が明らかとなった。また、この影響はスライス厚やスライス間隔にも影響するため安定した画質評価を行うことが今年であると判断した。この問題について別の方法を模索したが、解決には至らなかった。 研究期間を通じて得られた成果を以下に示す。モンテカルロシミュレーションにより生成されたPET画像の画質評価に、Ittiらによる計算機による顕著性を算出するソフトウェアを適用した。核医学画像は非線形的な画像再構成法を使用しただけでなく、信号量(ノイズ量)が大きく異なる画像も含め972通り、作成した。 従来の物理的な画質評価指標と比較して、顕著性は主観的な視覚評価との相関が高かった。また、評価者の視線情報をトラッキングデバイスで取得し、PET画像中の信号の無意識下での視認性を評価したところ、顕著性と視線情報との間に高い相関があることが明らかになった。これにより、顕著性は非線形処理された核医学(PET)画像の画質評価において有効な指標であることが示された。これらの成果は国際誌に原著論文として掲載され、広く公開されている。
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