2020 Fiscal Year Research-status Report
臨床症状と相関する脊椎手術後インプラント弛みの革新的定量評価法の開発
Project/Area Number |
20K20241
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野口 裕史 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (90783150)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脊椎インプラント弛み評価 / トモシンセシス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が考案した、脊椎とインプラントの相対的な位置関係を定量化できる革新的弛み評価法(トモシンセシス画像を用いてスクリューと椎体後壁のなす角度を高精度で計測する手法)を用いて、脊椎固定手術後のインプラント弛みのパターンを詳細に解析する。新たな弛み分類を提案、臨床所見と相関する所見を見出すことが本研究の目標である。 1. 腰椎-骨盤模擬骨を用いた基礎的検証 ①模擬骨によるインプラント弛みの計測精度検証・角度変位モデル:スクリュー中心線と椎体後壁や上下終板とのなす角を用いて「脊椎とインプラントの相対的な位置関係」を計測した。4.5-12.5度の変位に対し誤差1度以内で計測できた。・軸方向変位モデル:2-10mmのバックアウトに対し、実測値との誤差 0.5mm未満で計測できた。②インプラント設置の椎体高位、固定範囲の違いによるインプラント弛みの解析 研究グループの計画に合わせて、頚椎レベルでのインプラント弛みの検証を優先し下記検証3を追加検討した。 2. 椎弓根スクリューを用いた腰椎手術臨床症例の観察研究による本解析手法の検証 脊椎後方固定術患者41例の最頭側端において、デジタルトモシンセシス撮影の臥位・立位で同一平面を抽出し得た72本を対象スクリューとして、上記手法で評価した。CT画像を用いて、弛みあり群(12本)、弛みなし群(60本)に分けて、本手法での計測結果を比較した。結果、弛みあり群で平均5.7°±5.1°、弛みなし群では平均0.5°±0.5°で有意差を認めた。臨床症状との相関性は今後調査する予定。 3.固定部位の違いによるインプラント弛みの解析(頚椎レベルでの計測法の検討)頚椎ではスクリューの刺入方法が多様で腰椎と同一手法で計測困難なため、臨床画像所見から「脊椎とインプラントの相対的な位置関係」が計測する指摘指標を検討中であり、次年度は模擬骨を用いた基礎検証を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、模擬骨やインプラントの納品が遅延する等の問題はあったが、可能な範囲で検証が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
概要に記載の通り、インプラント設置の椎体高位や固定範囲の違いによる弛みのパターン解析の基礎的検証を行うことから、頚椎レベルでのインプラント弛みの定量化について検討を進める方向とした。腰椎レベルでは、本手法による臨床画像での応用が確認できているため、上記方針変更については大変有意義だと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で学会参加のための旅費は不要となったが、その分インプラントや模擬骨等を購入する代金に充てた(当初予定になかった頚椎インプラントでの検証準備のため、予定額を多少超えた物品費支出となった。) 本年度は、頚椎模擬骨や画像保存用DVD等の購入費に用いる予定である。
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Research Products
(2 results)