2020 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of exercise control ability of elderly people in impatience for assisting car driver to return license
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20K20266
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Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
梶原 祐輔 公立小松大学, 生産システム科学部, 准教授 (80710706)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 焦り度 / 運動制御 / 高齢ドライバー |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は運転時の焦りと脈波の関連性を検証するために、実験を実施した。実験では、ドライバーはドライブシミュレータでコースを運転する。走行ルートには衝突事故が発生しやすい15件が含まれている。ドライバーが各ケースを通過する前の30秒間のデータを分析に使用した。 ただし、15件以外のシーンで事故が発生した場合は、そのシーンをスキップした。 被験者は、ド運転段階では、IおよびII制御実験が実施された。I.ドライバーは、ルートを初めて運転する。 II.実験Iを実施した後、ドライバーは実験Iと同じルートを再運転する。 私たちは被験者にIのコースを10分以内で運転するように指示を出した。 これによりIはIIに比べ、焦りが生じる。この実験では、被験者の主観的な焦りの程度は、被験者の自己報告によって測定された。 被験者は、実験Iと実験IIのそれぞれのケースに遭遇したときに、主観的な焦りに口頭で応答するように求めた。主観的焦り度は7件法で取得された。 この実験では、緊張の程度を客観的に取得するために、自律神経活動の量を測定した 交感神経が優勢な場合は、被験者が緊張していることを示す。この実験の特徴要素として、測定値の平均、分散、最大値、最小値を計算した。焦りと平常の2群の間に有意な差があった心拍数の最小値HRminとRR間隔の最小値RRminにおいて、焦り時にHRminは平常時と比較して大きくなり、RRminは平常時と比較して小さくなる。これらの特性を基に、焦り/平常を目的変数、HRminとRRminを説明変数として機械学習し、焦り/平常を推定した。機械学習にはRandomForestを用いた。その結果、焦りを0.67、平常を0.76で推定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
私たちは事故件数と焦りの関連性を調査するために、私たちは実験Iと実験IIの主観的な焦りと事故件数の違いをBrunner-Munzel testを用いて、分析した。若年ドライバーと高齢ドライバーの集合を∑と定義する。帰無仮説は、∑の主観的な焦りと事故の数に関して、実験Iと実験IIの間に違いはないと仮説を立てた。棄却域は1%である。事故件数に関する2つのグループ間の違いは統計的に有意だった。検証結果は、実験Iの事故数が実験IIの事故数よりも多いことを示している。主観的な焦りに関する2つのグループ間の違いは統計的に有意ではなかった。ただし、主観的な焦りに有意差はなかったものの、被験者は実験IIよりも実験Iの方が緊張していた可能性がある。そこで、私たちは実験Iと実験IIの客観的な緊張度合いをBrunner-Munzel testを用いて、分析した。帰無仮説は、∑の脈波センサ値に関して、実験Iと実験IIの間に違いはないと仮説を立てた。棄却域は1%である。統計性の高い3つの特徴的な要素を示している。HRの平均、最小値と最大値に関する2つのグループ間の違いは統計的に有意だった。 緊張している場合、交感神経が優位になる。交感神経が優位の場合、HRが大きくなる。実験Iと実験IIの制御条件の違いは、ドライバーの運転中に予期しない状況が発生するかどうかである。さらに、被験者は実験IIよりも実験Iの方が神経質になっている。 ゆえにこの二つの要因が実験Iの事故件数に影響を与えた可能性がある。NCSは実験Iの予期せぬ状況に対処できないドライバーです。NCSは、実験IIよりも実験Iの方が事故が多いと予想されます。したがって、ドライバーは実験Iの事故件数に基づいてCSとNCSに分類することができた。ゆえに令和2年度の目標は達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は検証実験IおよびIIの心拍数の最小値とRR間隔の最小値を基に、焦り/平常を推定した。だが最小値は脈波の時系列変化の特徴を要約して表した基本統計量であり、時系列変化を網羅的に表していない。そこで脈波信号を説明変数として、時系列データの予測でよく用いられるディープニューラルネットワークLong short time Memory(LSTM)に入力し、焦り/平常を推定し、精度向上を図る。関連研究では、EEG信号をLSTMに入力し、感情を予測した場合、EEGの基本統計量などを基にSVMで感情を予測した精度と比べ、精度が約20%向上することが報告されている。本研究の焦り度推定においても、機械学習アルゴリズムをRandomForestからLSTMに切り替えることで、精度向上が期待できる。さらに、音声ガイドに従い、発進準備する。そのさいに制限時間を設け、高齢者の焦りを誘発する。焦り度は回帰モデルで予測する。発進準備時の脳活動量と脈波、動作は同様に取得する。発進準備とはシート・ハンドル・ルームミラーの調整、サイドミラーの確認、シートベルトの装着、ハンドブレーキの確認、ブレーキを踏みながらエンジンをかけるまでを指す。焦り度と行動の的確性・緻密性を基に共分散構造分析で心理モデルを構築し、これらの因果・相関関係を解明する。
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Causes of Carryover |
コロナ渦で国際会議等の旅費が発生しなかった。一方で、実験が12月に終わり、実験結果をまとめ、現在、論文投稿準備中であるが、次年度、この論文が採録されたさいに、その採録費用を支出する。
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