2020 Fiscal Year Research-status Report
手足の残存能力を反映した歩行支援器具選択のための新しい評価指標の研究
Project/Area Number |
20K20269
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
井上 淳 東京電機大学, 工学部, 准教授 (20609284)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 歩行支援器具 / 評価指標構築 / ベイジアンネットワーク / 因果関係モデル / 下肢装具 / 筋活動推定 / 支援機器MAP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、主流であるが臨床現場では使用が困難な三次元運動解析や床反力計を用いた物理的アプローチのモデルではなく,臨床現場でも計測可能な指標を探索するため,統計的アプローチであるベイジアンネットワークを用いた負荷推定のシステムを構築する.これにより、統一された指標で多種多様な歩行支援器具に対する評価を行うシステムを構築し,潜在因子である残存能力を用いた支援機器MAPを作成することを目指して研究を進めてきた。 2020年度は、歩行器の追従性能の評価手法を検討した論文や、下肢麻痺患者に対して、早期から自然な歩行を誘発し、歩行訓練効果を高めるようなの新しい形状の下肢装具の開発についての論文を臨床系の論文誌に二本投稿し、掲載された。また、糖尿病を併発している患者の歩行評価をする上では、靴内圧力を計測することで、歩行中の各部に対する負荷を計測する必要があるが、一般的に今まで計測するシステムがなかった、任意の靴を履いた時の足側部や、足趾関節上面、足趾先端等の圧力計測をするシステムを開発し、論文を臨床系の論文誌に一本投稿中である。さらに、このシステムは病院と共同研究で開発しており、商品化一歩手前まで進んでいる。また、筋活動に関する知見を深め、足部だけでなく腕部の筋活動推定の研究も実施しており、工学系論文誌に論文を一本投稿し、掲載された。 ただ、本年度は感染症拡大の影響で実験協力者を募っての実験がほとんど進まなかったことから、研究方針の転換を行った。本研究課題は実験協力者にセンサを直接付け、転倒防止のために歩行路の左右に人員を配置するなど、密を避けられない実験が多い。そこで、2021年度にむけて、筋活動シミュレーションソフトを導入し、最小限の実験データだけを入力し、シミュレーションを用いて筋活動の変化を推定する手法の研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題は実験協力者にセンサを直接付ける際、筋電位センサなどは筋肉の位置を正確に把握しながら設置しなければならないことから、実験実施者と実験協力者の距離が近くならざるを得ない。また、普段使っていない歩行支援機器を使うため、転倒防止のために歩行路の左右に人員を配置するなど、密を避けられない実験が多い。本年度は感染症拡大の影響で実験協力者を募っての実験がほとんど実施できなかった。そのため、感染拡大前に実施した実験の結果のみから、解析・考察を進めてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は感染症拡大の影響で実験協力者を募っての実験がほとんど実施できなかった。 この問題を解決するため、研究方針の転換を図った。2021年度にむけて、筋活動シミュレーションソフトを導入し、最小限の実験データだけを入力して、シミュレーションを用いて筋活動の変化を推定する手法の研究を開始している。当初の計画通りでは無いものの、この研究が成功すれば、計測等に係る人的コストを削減してモデルを開発できることから、新たな知見が得られると考えている。
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Causes of Carryover |
1000円未満の少額であることから、翌年度使用計画に変更は特に生じない。
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