2019 Fiscal Year Annual Research Report
Interdisciplinary Empirical Studies on Group Apology
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17H06189
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多湖 淳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80457035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三船 恒裕 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 准教授 (00708050)
稲増 一憲 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10582041)
大坪 庸介 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (80322775)
小浜 祥子 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (90595670)
日道 俊之 高知工科大学, フューチャー・デザイン研究所, 講師 (80800995)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 集団謝罪 / 政治学 / 心理学 / 実験 / テキスト分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの目的は、「集団間の謝罪と赦し」をテーマとして、心理学・政治学の若手研究者が協働し、今までにない分野横断・融合研究を実施することにある。心理学と政治学の壁を取り払い、心理学におけるメタ理論と研究室実験による検証結果の蓄積を、サーベイ実験手法を重視して研究を行ってきた政治学に応用する(心理学から政治学へのベクトルの融合)ほか、政治学での応用がもたらす知見は心理学におけるメタ理論の修正につなげ(政治学から心理学へのベクトルの融合)、特に集団の抱える歴史的文脈(コンテクスト)がいかに一般的な心理学的予測を阻害するのかを総合的に解き明かすことを課題としてきた。2019年度は、①日本政府がさまざまなシナリオで集団謝罪することに対する「抵抗感」の調査についてクラウドサービスを使った本実験の結果を論文化して公刊した。また、②重要な先行研究であるLong and Brecke (2002) War and Reconciliationの議論に基づく実験結果を論文化したほか、追加で実験を行い、結果の頑健性を確かめた。このほか、③集団謝罪を否定するような「スポイラー」のいた事例をもとに実験を行ったがその結果をまとめて論文化した。このほか、④謝罪が「社会的望ましさバイアス」によって左右されてしまう可能性を踏まえ、事案について「悲しみ」をもって謝罪を支持しているか否かの見極めを行うため、心拍実験を実施した。上記の計画は政治学者と心理学者の協働で進め、その過程において、神戸および東京において研究ミーティングを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際学術誌での英語論文刊行もでき、生体反応実験も成功し、おおむね順調な進展をしていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019年度におこなった以下の論点、①日本政府がさまざまなシナリオで集団謝罪することに対する「抵抗感」の調査についてクラウドサービスを使った実験、②重要な先行研究であるWilliam J. Long and Peter Brecke (2002) War and Reconciliation MIT Pressの議論に基づく実験、③集団謝罪を否定するような「スポイラー」のいた事例(例、えひめ丸事件)をもとにした実験、④謝罪が「社会的望ましさバイアス」によって左右されてしまう可能性を踏まえた心拍実験について論文を完成させ、国際学術誌で公刊する。政治学者と心理学者の協働で進めるが、その過程において、神戸および東京において研究ミーティングを予定し、そこでしっかりと共通理解を定め計画を進めていくこととしている。
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