2019 Fiscal Year Annual Research Report
Tuning of Career Education - Attempts to Establish Japan and the US Learning Community -
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17H06196
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
石井 三恵 摂南大学, 教育イノベーションセンター, 教授 (50280178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 武 摂南大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90624726)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 高等教育 / チューニング / 学習共同体 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
キャリア教育の概念を日本側研究協力者と共有し、それに基づいた日本語テキスト執筆において、「ビジネス実務」と「キャリアデザインⅠ」の2本立てを検討した。「ビジネス実務」の書籍版テキストの最終校正を研究協力者間で継続し、2020年度夏の完成を目指す。一方、「キャリアデザインⅠ」の教材スライドに関しても、日本語版・英語版の両方がほぼ完成に至った。 これらテキスト制作の過程で、アメリカ側研究協力者が日本側研究協力者の議論を受け、討議を重ねた。また、2018年に研究代表者がアメリカ人学生とのと面談を行った結果を受けたアメリカ人研究協力者は、学生の希望やアイデアを新規科目に取り入れ、シラバスと教材を作成し、研究クラウドに上げて、意見を求めた。 本研究の開始時に、本研究は5つの問題を抱えている点を指摘した。第一の「教育内容の明確化」は学修共同体としての一応の結論が出たと考えられる。第二の「評価基準」は、第一の教育内容に基づいた学生のエビデンスから一定の評価項目の検討が重ねられているが、最終案に向けて再考も必要である。第三の「教員の質保証」の問題であるが、学習共同体における議論の積み重ねによって、コミュニケーションの重要性を理解できたことからも、今後さらなる議論の場が必要である。第四の「教職協働」は今後の授業の展開方法にもよるため考察が必要である。第五の「グローバル化」においては、日本人学生はもとよりアメリカ人学生、留学生との面談において、必要不可欠な教育内容の要素は共有できた。しかしながら、アメリカに本社がある日系企業代表者との面談において、キャリア教育が学問になるのかという点に議論が集中し、今後の課題となった。 以上のことから、本研究の最終年に向けての準備は整ったといえよう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度、キャリア教育の概念にまだ納得がいかないアメリカの大学を訪問できず、メールでのやり取りも不調に終わったことを受け、2019年度を迎えた。この1年で概念を理解し、学生の希望に応えようと、新規科目の立ち上げまで至ったアメリカの大学は1校である。それは、訪問し、向き合う時間を互いが持ち、face to face の話し合いができた結果である。 このような状況を見越して、2019年秋、研究cloudを立ち上げ、話し合いの場を作ったのであるが、日ごろ手慣れたアクセス方法ではないため、研究協力者のアクセス数が少ない。また、言語の壁があるため、共有できる日本人研究協力者が少なかった。まずは、慣れることから始めており、活発な意見交換ができるには2020年度になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は本研究のまとめの年となる。このことから、以下の3点に重点を置く。 第一は、これまでの研究の経緯を明らかにし、各研究協力者の視点から展開をまとめることである。これは学習共同体としての議論をcloud上で行える可能性について言及することでもあり、論点を整理し、まとめる。その際、5つの問題に対する解を整える。第二は、成果物としてのテキストの書籍化を図る。同時に、教材のオンラン化、授業のオンライン化について検討していく。現在、2つの成果物のオンライン化の準備をしており、作成、検討、修正、というPDCAを回し、改善点に関して考察を重ねる。第三は、キャリア教育の概念から、教育と学問の両方の視点において、いかにキャリア教育を位置付けるかを検討する。 2020年11月には、アメリカから研究協力者、留学生等を招いてシンポジウムの開催を予定している。
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