2019 Fiscal Year Annual Research Report
代数計算と数値計算の融合を戦略とする医薬品候補物の副作用予測モデルの創造への挑戦
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17H06198
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日比 孝之 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80181113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 達也 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80144517)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 代数計算 / 数値計算 / 医薬品候補化合物 / 分子記述子 / 最尤推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究分担者と研究協力者から提供される、薬学の実験データを使い、Box--Behnken 計画を ``次世代型ものづくり''(すなわち、生物活性化合物を従来よりも効率良く合成すること)の開拓に応用することに挑戦した。一般に、有機化学実験は、化学者の永年の経験と感性を礎とし、網羅(絨毯爆撃)的な条件の検討に依存するところが大きい。しかしながら、一回の実験に膨大な時間と莫大な費用が必要となるとき、そのような網羅的実験をする従来型手法は限界がある。それゆえ、限られたより少ない実験データを、統計、及び、数学を道具とし、理論的な解析を施し、期待する性質を持つ生物活性化合物を(1)高い収率;(2)短い時間;(3)省資源で合成することは、きわめて重要である。そのような開拓の観点から眺めると、Box--Behnken 計画の着想は有効である。化合物を合成する際、幾つかの段階の反応をさせる。それぞれの段階で、溶媒の濃度、反応の温度などのパラメータを決める必要がある。ところが、濃度、温度などの連続量を扱うとき、網羅的にすべての可能な条件を探索することは不可能である。すると、比較的少ない回数の実験をし、得られるデータを Box--Behnken 計画の哲学を踏まえながら多面的な解析をし、満足する結果が得られるであろうと期待されるパラメータを推定することは有益である。そのような推定されたパラメータを使う実験を遂行し、その結果を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究成果は、発展途上の域を越えないが、今後の展開に関する有効な戦略が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
Box--Behnken 計画が``次世代型ものづくり''に有効であることを実証する。
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