2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Millimetric Adaptive Optics
Project/Area Number |
20K20287
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田村 陽一 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (10608764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川邊 良平 国立天文台, 科学研究部, 教授 (10195141)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電波天文学 / 補償光学 / ミリ波 / 電波望遠鏡 / 計測工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
電波望遠鏡において、鏡面精度を担保したままアンテナを大口径化・高周波(テラヘルツ)化することは、あらたな天文学領域を開拓するうえで重要である。本研究課題では、既存あるいは将来の地上ミリ波・サブミリ波望遠鏡に搭載し、風負荷・熱変形・重力変形による(主)鏡面精度の低下を実時間で補償する光学システム 「ミリ波補償光学」の基礎研究を行う。本研究では、電波天文学のネイティブな波面計測技術である開口合成干渉法を利用した波面計測システムを提案し、低周波数(20GHz)かつ少数素子(5素子)の波面計測システムを開発し、野辺山45m望遠鏡に搭載して、40μm r.m.s.の精度で実時間の波面測定が可能なことを実証することを目的とした。 本年度は、当初計画に基づき、以下を実施した。 (1) 2素子波面センサによる波面の変形解析: 前年度に国立天文台野辺山45m望遠鏡に搭載した2素子波面センサのデータを解析し、望遠鏡の1次変形(波面の傾き)のパワースペクトル密度を得た。この結果、望遠鏡の固有振動数と整合する振動成分、及び低周波で卓越するドリフト成分を検出した。加速度計や気象データの相関により、これは望遠鏡構造に対する風圧によって変形した鏡面の傾きをとらえていると結論づけた。さらに、白色雑音成分よりシステムの統計誤差を評価した結果、7μm r.m.s.を達成していることがわかった。これは参照光源の光子雑音から予測される感度と矛盾しない。これらの結果をSPIE国際光学会の国際会議で発表する予定である。 (2) 5素子波面センサ製作と搭載:以上を受けて波面センサを5素子に拡大する開発を行い、国立天文台野辺山45m鏡に搭載した。新設したセンサの動作させ干渉縞を検出することに成功した。現在、評価を実施中である。
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Research Products
(14 results)