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2020 Fiscal Year Research-status Report

Interpretation of regulatory system of fetal cardiovascular development with re-evaluation of substance transport characteristics in fetal circulation

Research Project

Project/Area Number 20K20306
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionKawasaki Medical School

Principal Investigator

毛利 聡  川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 塚田 孝祐  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00351883)
花島 章  川崎医科大学, 医学部, 講師 (70572981)
橋本 謙  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80341080)
氏原 嘉洋  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords胎児循環 / アミノ酸 / 心筋細胞 / 胎盤 / 細胞周期
Outline of Annual Research Achievements

胎生期の栄養環境が心臓に及ぼす影響を明らかにするため、活発に分裂を繰り返して原始心臓を形成する胎児心筋細胞とアミノ酸環境の関係をラットの培養心筋細胞で検討した。ラットを用いて、胎生20日目、出生後2日目、5日目もしくは6日目、8週齢において、血中および心筋組織中の各種アミノ酸濃度を測定したところ、血中アミノ酸濃度は、Lys,Met,Phe,Trpなどが心筋分裂が盛んな胎生20日目で濃度が高く、出生後には減少した。心筋組織中のアミノ酸濃度は、出生前後で血中ほどの大きな変化はみられなかったが、Leu,Lys,Phe,Valは、出生後にやや減少していた。これらの結果より、ラット胎児の培養心筋細胞を用い、細胞増殖マーカー(Ki67)を指標として心筋細胞分裂能とアミノ酸の関係を検討した。まず胎生20日目の心筋細胞において、単独のアミノ酸での培養を行なった時の分裂能を検討し、分裂能に促進効果のありそうなアミノ酸を探索した。次いで、胎生17日目と胎生20日目の心筋細胞において、心筋分裂に影響のありそうな複数のアミノ酸を除去して培養を行ない、分裂能を検討した。単独アミノ酸培養では、Cys,Gly,His,Lys,Valでの培養が、単独でも、通常培地と同程度の細胞増殖マーカーの陽性率を示した。アミノ酸除去実験では、胎生17日目の心筋細胞においては一度に10種のアミノ酸を除去すると陽性率は有意に減少したが、その他の組み合わせ(3~9種)でははっきりとした陽性率の減少はみられなかった。胎生20日目の心筋細胞では、10種のアミノ酸の除去で陽性率が有意に減少し、Cys・Gly・Ser、His・Ile・Trpの3種、Gly・Lys・Tyr・Valの4種、必須アミノ酸9種の除去で、有意ではなかったが、陽性率が減少する傾向にあった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

胎盤における選択的物質輸送の具体例としてアミノ酸に着目し、成体と胎児血液におけるアミノ酸濃度の違いを確認出来た。心筋細胞培養実験では、アミノ酸の種類によって心筋分裂能の維持に影響の強いものもあったが、特に影響の強いアミノ酸を認めなかった。胎児循環の酸素環境が心臓形成に及ぼす影響に関しては、ポルフィリン燐光を用いた生体微小循環酸素計測システムを構築して臍帯動静脈の酸素分圧を同時に計測しながら母体側の酸素環境を変化させて胎児循環の酸素運搬特性が大量の酸素輸送を目的とするものではなく、成体と比べて著しく低い酸素濃度を維持するための緩衝機構であることを証明する予定であったが、社会的要因から共同実験の進捗が滞り課題が残されたため。

Strategy for Future Research Activity

胎児循環のアミノ酸選択的輸送と心筋細胞分裂に関する研究に関しては、アミノ酸配合の様々な組み合わせと心筋細胞分裂能の関係を検証していく。また、胎生期の低栄養環境が心臓に及ぼす影響を解析するため、妊娠15日目から妊娠21日目まで、母ラットに50%摂食制限を施して胎生期低栄養ラットを作成し、自由摂食の母ラットから生まれた仔と出生前後(胎生20日目、出生後1日目、14日目、21日目、30週齢)において、体重、心重量の測定や、心筋組織における心機能関連遺伝子と細胞周期関連遺伝子の発現を比較する。また、胎生期低栄養ラット4週齢において、モノクロタリン(Mct)30mg/kgを皮下投与して肺高血圧症を発症させて、心エコーによる心機能評価や血中ANP濃度測定を行う。また、ポルフィリン燐光を用いた生体微小循環酸素計測システムの構築を進め、胎児循環の酸素環境と胎児心臓形成に関する情報を分子・細胞・個体循環システムでベルで統合的に検討する。

Causes of Carryover

ポルフィリン燐光を用いた生体内微小循環酸素計測システムを慶應大学塚田教室と共同研究にて構築する予定であったが、新型コロナウイルス感染症により首都圏の大学研究室の活動が制限されたこと、また川崎医科大学と慶應大学との間で実際に行き来して実験を行うことが出来なかったことによる。令和3年度も明確には実験計画を見通せないが、現時点で燐光計測のための顕微鏡と動物を用いた実計測までは到達しており、スキャニングと平面画像構築システムの完成を計画している。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Remarks (1 results)

  • [Remarks] 川崎医科大学・生理学1 ホームページ

    • URL

      https://physiology1kawasak.wixsite.com/website-2

URL: 

Published: 2021-12-27  

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