2019 Fiscal Year Annual Research Report
Application of computational origami to cell origami
Project/Area Number |
17H06287
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
上原 隆平 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00256471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀山 貴史 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60314530)
繁富 香織 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任准教授 (90431816)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 細胞折り紙 / 計算折り紙 / 多面体 / 展開図 / 空間充填立体 / 列挙アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の北海道地震に伴う大規模停電により、それまで実験に用いていた細胞がほとんど死滅し、実験環境は大幅なダメージを受けた。その後、実験環境を再度整備していたが、2019年度は主たる実験担当者の妊娠、出産に伴い、実験を計画通りに進めることが困難であった。そこで理論面の整備を先行して進めることとした。具体的には、それまで立方体の展開図を中心に進めていた研究に加えて、新たに切頂8面体の展開図も研究対象に加えた。切頂8面体とは正8面体の頂点を切り落とした立体であり、正6角形の面8枚と正方形の面6枚から構成される。立方体と同様の一様性があるだけでなく、空間充填立体でもあり、さらに空間に充填した時にずれを生じることがないという有用な性質がある。こうした性質を持つ立体は他には存在せず、本研究の目的を考えると多くの利点がある。この切頂8面体の展開図は、そのまま列挙すると天文学的数字になってしまうことが判明した。そこでこれを回避するために正方形の面を取り除き、正6角形のみからなる展開図を列挙した。これは立方体の展開図の列挙と同程度の規模であった。また正方形の穴を利用すると、将来的には多面体同士を細胞の力で接着することも可能となると期待できる。 本研究プロジェクトに関連して2019年度はジャーナル論文を5本(計算折り紙に関する論文1、グラフ構造に関する論文2、平面図形に関する論文2)出版し、国際会議での発表を14回(計算折り紙に関する論文8、グラフ構造に関する論文4、平面図形に関する論文2)行った。特に計算折り紙については展開図から凸立体を折れるかどうかを判定する問題について、従来知られていたクラスよりもずっと大きなクラスに対して効率の良いアルゴリズムを提案し、本研究の推進の基礎を築いた。また研究代表者は国際会議での計算折り紙に関する招待講演を2回実施し、当該分野の発展に寄与した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、理論的な面の研究と、実際の実験結果とのフィードバックが重要であるが、大規模停電による細胞の死滅、実験担当者の妊娠出産に伴う遅延に加えて、新型コロナウィルス感染予防のための会議の自粛により、特に実験面での遅れがあり、それに引きずられる形で理論的なモデルの妥当性の評価が遅れ、結果的に理論モデルの構築にも遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本来は立方体の展開図に対して実験を実施し、そこでのフィードバックを利用して理論的なモデルを確立し、その結果を切頂8面体の展開図に適用することで、モデルの妥当性を評価し、理論モデルの更なる精緻化を図る予定であった。しかし実験面での遅れを挽回するためには、立方体の展開図に対する実験を続けるのと並行して、切頂8面体モデルについての実験と理論モデルの構築も併せて実施して、全体としての研究を効率的に推進するつもりである。
|
Research Products
(20 results)