2019 Fiscal Year Annual Research Report
メタン菌の付着機構解明による先端的コーティング配置技術の開発と高性能電極の試作
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17H06296
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
多田 千佳 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30413892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 貴子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50738086)
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (90312652)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | メタン菌 / カソード電極 / CNT / 分散剤 / 配向 / メタン変換速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人為的・自在にメタン菌の電極表面へ整列・付着させる技術『微生物プリンター』の確立を目標に、①メタン菌の付着メカニズム解明、②プリンターインクとなるメタン菌高付着カーボンナノチューブ分散液の開発、③メタン菌の短時間集積技術の開発、高性能電極作製を目的とした。その結果①Methanothermobacter thermautotrophicusは、電極表面COOH基とOH基が1:0.65比によく付着すること、②単層スーパーグロースCNTと親和性が高いこと、分散剤には、プロピレングルコールではなく、BSAが望ましいところまでわかっていた。今年度は、分散剤として、BSAの濃度の最適化をおこなった。0.25 mg/L, 0.5 mg/L, 1.0 mg/LのBSA添加によるSG-CNTの分散の様子、およびメタン菌の増加量、メタン変換速度について検討した。その結果、 0.5 mg/LのBSA添加によって、CNT分散が良好で、かつ、メタン生成もよく、メタン菌の増殖も高いことがわかった。これより、SG-CNT分散については、BSA0.5 mg/Lが適していることが明らかとなった。電極配向によるメタン変換速度については、非配向に比較して付着メタン菌量1/10でも同程度のメタン変換速度を得たことから、配向も性能向上には重要な因子であることがわかった。しかし、酸化処理によって水で分散できるCNTでも、配向CNTとほぼ同様の結果を得たことから、分散することでも高い性能を得られることもわかった。これは、分散によって、微生物と基質との接触率が高まることが大きいと考えられた。また、酸化処理CNTによる分散とBSA分散CNTでは、BSA分散で、圧倒的にメタン菌の増殖、メタン生成が優れており、総合的に考えると、CNTを配向させるより、BSA分散処理が望ましいことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで計画をしていた、CNT分散、そして、メタン菌との親和性、電極としての性能を高める条件を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、これら作成した分散液を用いて、3Dプリンタへの応用、微生物プリンタ、そして、高性能電極の作成を行なって、CO2からのCH4変換速度の向上、さらに、発電力の向上を目指す。
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Research Products
(2 results)