2019 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の健康自立寿命延伸のための社会的活動性維持向上プログラムの研究開発と試行
Project/Area Number |
18H05297
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大方 潤一郎 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任教授 (60152055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 勝矢 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 教授 (00334384)
荻野 亮吾 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任助教 (50609948)
高橋 競 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任研究員 (60719326)
税所 真也 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任助教 (60785955)
後藤 純 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任講師 (80584408)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | フレイル / 社会的活動性 / 健康自立寿命 / 資源の貧困化 / まちづくり / 生活の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的フレイル等の概念共有と、理論的枠組みの構築に基づき、本年度は、大規模コホート研究の分析と、社会的活動性を向上するための地域活動プログラムの検討を行った。 千葉県柏市における高齢者大規模コホート研究(柏スタディ)については、研究一年目に収集したデータと過去のデータセットを統合し、地域高齢者の社会的活動性に関する多角的な分析を行った。まず、加齢による身体的・精神的・社会的資源の貧困化について検討し、運動機能(ロコモ25)や認知機能(MMSE)に比べ、ソーシャルネットワーク(Lubben Social Network Scale)は加齢の影響を受けにくい可能性があることを見出した。次に、活動能力が低下した群と維持・向上した群の比較を行い、とくに男性において、乏しい身体資源が活動能力低下の要因となり得ることを明らかにした。また、高齢になっても継続参加できる社会活動の種類を探索し、カメラやカラオケに関する活動にはより高齢な者が参加している傾向があることを明らかにした。 同柏市豊四季台団地においては、所属機関の運営するコミュニティ・スペースで介入研究を行い、その効果を明らかにするために質問紙調査、インタビュー調査、映像分析を実施した。インタビュー調査の分析から、社会的活動性を維持するための継続的なプログラムへの参加については,外出への意欲や、それまでの社会関係でなく,場への愛着が関係することを明らかにした。また映像分析から、会話を引き出すための相互参照できるツールの準備や、視線の交わりを生み出すための座席配置など、効果的なプログラムの詳細な要素が明らかにされた。質問紙調査の分析からは、徒歩圏域に敷居の低い、多様なプログラムを開催する場所が存在することで、外出行動が維持される可能性や、プログラムの内容によって社会的活動性への効果が異なることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、本年度は、前年度に確定した枠組みに基づき、多変量解析や介入研究を行い、どのようなプログラムが社会的活動性を高めるのか、その要素を明らかにすることができた。 高齢者大規模コホート研究(柏スタディ)の分析については、身体的・精神的・社会的資源の貧困化、活動能力低下の要因、高齢になってもできる社会活動についての分析を進め、プログラムの内容更新や戦略的展開に資する知見を得ることができた。社会的活動性を向上する地域活動プログラムの研究開発については、千葉県柏市豊四季台団地における介入研究とその分析の基づき、効果の高いプログラムの特徴や、プログラムごとの社会的活動性への影響が明らかにされ、研究目的に基づく、十分な成果を挙げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)高齢者大規模コホート研究データの分析では、地域高齢者の社会的活動性維持向上に関するより詳細な分析を進める。 (2)千葉県柏市豊四季台団地の試行で得られた、社会的活動性を維持・向上させるプログラムの特徴をまとめた上で、神奈川県鎌倉市、秋田県秋田市などの異なるフィールドにおいても、実装を行うことで、その汎用性を確かめる。 (3)分野横断的研究組織による検討会により、3年間の研究で得られた成果をまとめ、を継続し、社会的活動性を維持・向上させるプログラムの特徴を明らかにする。
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[Presentation] Exploring the significance of the community center to Japanese senior citizens from the perspective of place attachment2019
Author(s)
Sakai E, Kim H, Kamesawa A, Kim D, Nakayama R, Terazawa S, Ogawa K, Masuda K, Akizuki Y, Yang Y, Yang Y, Suzuki Y, Shah R, Masuda T, Gandy C.S, Maeda K, Takase M, Saisho S, Ogino R, Murayama H, Goto J.
Organizer
11th International Association of Gerontology and Geriatrics Asia/Oceania Regional Congress,
Int'l Joint Research
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