2018 Fiscal Year Annual Research Report
健康増進に資する社会的ネットワーク可視化手法の開発と地域介入の効果検証
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18H05298
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 修一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70152303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
増本 康平 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20402985)
谷口 隆晴 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (10396822)
原田 和弘 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50707875)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的ネットワーク / 高齢者 / 健康増進 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常生活での社会的ネットワーク(人と人とのつながり)を定量的に測定する方法の開発に向けて、ウェアラブルセンサを用いた社会的ネットワークの自動的・定量的計測と可視化システムの構築を行った。すなわち、社会的ネットワーク計測収録装置システムに組み込まれている全地球測位システム(GPS)による位置情報、ならびに発話認識センサーによる発話情報の測定評価に関する精度の検証を行った。 まず、GPSの精度については人工衛星みちびき対応スマホによる検証を行ったところ、「みちびき」には3種類の位置サービス(「衛星測位サービス:信号L1C/A, L1C, L2C, L5」「サブメータ級測位補強サービス:信号 L1S」「センチメータ級測位補強サービス:信号L6」あるが、スマートフォンでは「衛星測位サービス」の提供のみとなるため、格段の精度向上には繋がらなかった。 また、発話情報の精度については、マイクやウィンドジャマーを使って、様々な状況を想定した実験を行った結果、会話でない部分を識別する能力は60~70%程度、会話の部分を識別する能力は20%程度となった。しきい値を固定して実験を行ったが、センサー装着者が位置する環境音の状況を加味してしきい値を決める必要があることがわかった。全指向性ラペリアマイクがノイズに強いということ、またウィンドジャマーはできるだけ装着した方がよいことも明らかになった。計測にあたっては、周囲のあらゆるタイプのノイズが入る可能性があることから、できるだけ大きな動きはしない、話す際はいつもより大きな声を出すなどの制約条件をつけるだけである程度は、ノイズの発生をコントロールできることが示唆された。さらに、計測開始前の音圧のキャリブレーションとして、センサー装着者が10秒程度の文章を読み上げる音圧を収集し、この値を用いることによって、発話情報の精度を上げることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
社会的ネットワーク計測収録装置の開発の段階で発話測定の精度を確認した結果、当初の想定に反し、車の音、風の音、センサーと着衣が擦れる音がノイズとなり、測定精度が大幅に下がることが判明した。 研究遂行上、同装置による発話時間の測定が不可欠なため、発話測定の精度検証を追加して実施する必要が生じた。 このことから、当初計画が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年4月に社会的ネットワーク計測収録装置が納入され、予備実験を行う予定である。その後、予備実験が順調に進めば、社会実験を行う運びとなっている。
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