2018 Fiscal Year Annual Research Report
音楽ティーチングアーティスト養成コアカリキュラム開発のための音楽大学(学部)連携
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18H05303
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kunitachi College of Music |
Principal Investigator |
久保田 慶一 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (70170032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 路子 (大島路子) 桐朋学園大学, 音楽学部, 非常勤講師 (70764116)
大類 朋美 洗足学園音楽大学, 音楽学部, 講師 (80587999)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | ティーチングアーティスト / コアカリキュラム / 音楽家の社会貢献 / 音楽専門教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
ティーチングアーティスト養成講座を、大阪音楽大学(11/23,24,12/1)、東京音楽大学(11/16,12/7)、聖徳大学(12/5,12)、武蔵野音楽大学(2/9,16,23)、洗足学園音楽大学(2/13,21,3/6)、桐朋学園大学(3/1,7,13)の6大学で実施した。 3月5日から12日にわたって、アメリカ・ニューヨークのジュリアード音楽院のトマス・カバニス氏を招聘し、ワークショップ形式で、ティーチングアーティストの実践実習やアメリカでの活動状況について、講義してもらった。開催大学は上記の講座大学の他、国立音楽大学、昭和音楽大学、神戸女学院大学が参加した。 研究代表者と分担者は、アメリカの3つの音楽院(カーチス、ジュリアード、イーストマン)を10月と2月に訪問し、ティーチングアーティスト養成の授業などを見学し、研究者との交流を行った。また上記のカバニスと、日本でのワークショップの開催実施について相談した。 当該研究では11の音楽大学(学部)が連携しているが、すべての大学(学部)が何らかの形で連携することができた。講座の内容としては、職業としてのティーチングアーティストの理解、知識や技能の向上、演奏会を企画して演奏するといった内容であったが、講師には当該研究の代表者、分担者、協力者の他、各分野の専門家を招聘した。また参加者は各大学在学生のほか、大学院生や卒業生も多数参加した。平均して15名程度の参加で、延べ参加者数は、養成講座で約100名、ワークショップで約150名の参加者を得た。 3/11日には、カバニス氏と研究に参加している大学教員、さらにホール関係者が参加して、意見交換会を桐朋学園大学で実施した。カバニス氏からジュリアードの学生などの動向について報告をしてもらい有益な情報を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に当初予定した活動はほぼ実施することができた。ただし講座とワークショップのいずれかの実施であったが、予算的には各大学でひとつの形式で実施するのが妥当であった。 これらの講座とワークショップにおいて、ティーチングアーティスト養成の必要とされる科目等が明確になった。特に、エントリーポイントやアクティビティなど、音楽の専門的知識をどう実践として活用していくのが、学生にとって最も大切な点であることが明らかになったように思う。今後、こうした科目を重点的に配置する必要があろう。これに関連して、今年度実施した講座の開催期間は2日から3日、ワークショップは1日と、集中講義の形式であったが、参加者の理解度や演奏会の企画や練習の時間の確保などに課題を残した。大学での本格実施を考えると、連続した授業形式での実施が求められる。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」で記したように、養成講座が短期集中であることから、参加者の知識や技能の習熟度があまり高くないように見受けされた。終了後のアンケートでも表面的な理解に終わってしまっているという状況が明白となった。 次年度は、神戸女学院大学と名古屋芸術大学において、年度の前期において、連続15回の授業枠をとって、養成講座を実施する予定である。 後期は、聖徳大学、大阪音楽大学、桐朋学園大学、洗足学園音楽大学での講座の実施を予定している。また3月には、ニューイングランド音楽院のデイヴィット・ワレスを招聘して、インタラクティブ演奏の実践実習のワークショップを開催することが、すでに決まっている。最終年度となる再来年度には、成果発表の演奏会やシンポジュムを計画している。
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