2020 Fiscal Year Research-status Report
ミュージアムの新たな評価手法構築に関する実践研究-社会的価値と事業改善に着目して
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20K20326
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 亨 北海道大学, 文学研究院, 教授 (80292308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
源 由理子 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (10468829)
佐久間 大輔 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 課長 (90291179)
北村 淳一 三重大学, 生物資源学研究科, リサーチフェロー (00432360)
林 勇貴 大分大学, 経済学部, 准教授 (00806614)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 評価 / ミュージアム / 社会的価値 / 外部便益測定 / 事業改善 / 参加型評価 / 実践研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.評価の実践 2019年度に引き続き、評価学に基づいた、事業改善につながる「ロジックモデル(セオリー評価)」を活用した評価設計のためのワークショップを、大阪市立自然史博物館において20名の参加、12名の見学者のもとで開催した。ただし、コロナウイルスの感染拡大防止のため、1カ所に集まってのワークショップはできなかった。そのため、すべてzoomを使い、かつオンライン用の思考ツールを活用してワークショップを開催した。また、札幌市芸術文化財団が指定管理者である文化施設において予定していた同様のワークショップは、コロナ禍のため、同財団と札幌市所管部局の意向で今年度の開催はすべて見送られた。 一方、経済学に基づいた、ミュージアムの社会的価値を明らかにする「外部便益測定調査」では、大阪市立自然史博物館を対象に来館者へのアンケート調査で718サンプル、外部業者に委託して実施したネットアンケート調査で3,600サンプルを収集し、現在データ分析中である。 2.評価事例の収集とデータベース化 これまで収集した国内の公立ミュージアムの評価事例約200件に関して、メタ評価を2019年度より継続中である。 一方、それらの事例をミュージアム評価に関するデータベースとして公開する方法の検討を始めたが、コロナ禍のためデータベース作成に係る各領域の専門家と十分な打ち合わせができなかった。また、ミュージアムに訪問してヒアリング調査を実施して追加の評価事例を収集することも、ほとんどできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、当初予定していた「1.評価の実践」のうち、札幌市芸術文化財団が指定管理者である文化施設のおける、ロジックモデル(セオリー評価)を活用した評価設計のためのワークショップを行うことができなかった。 同様の状況下のため、「2.評価事例の収集とデータベース化」における、ヒアリング調査を伴う追加の評価事例収集はほとんどできなかった。また、データベース作成に向けた専門家との対面による検討作業が十分に進まず、作成作業も進捗しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
R3年度が、本科研費の最終年度であるため、ミュージアム評価に関するデータベース作成に最も注力することにする。 併せて、ロジックモデル(セオリー評価)を活用した評価設計のための新規のワークショップの開催、およびヒアリング調査を伴う追加の評価事例収集には拘らず、現在までに開催したワークショップおよび収集した評価事例を中心に、データベースのコンテンツとして使用する。
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Causes of Carryover |
R2年度は、ロジックモデル(セオリー評価)を活用した評価設計のための新規のワークショップの開催、ヒアリング調査を伴う追加の評価事例収集のための旅費を多く計上していた。しかしながら、コロナウイルスの感染拡大防止のため、東京や大阪に在住する研究分担者が所属する機関から、旅費執行の停止および自粛要請が出されたため、分担金として配分した旅費を十分に使用することができなかった。 また、研究代表者も同様の理由で、旅費が十分に使用できなかった。加えて、データベース作成に向けた専門家との検討作業が進まず、作成作業も進捗しなかったため、計上した経費を使うことができなかった。 そのため、この科研費の最終年度であるR3年度は、R2年度の未使用額とR3年度の所要見込額を使うことで、進行が遅れているミュージアム評価に関するデータベース作成を精力的に進める予定である。新規のワークショップの開催、ヒアリング調査を伴う追加の評価事例収集よりも、データベース作成に重点的に経費と時間を使うこととする。
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