2020 Fiscal Year Research-status Report
Integrating spatial data and development program evaluation
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20K20332
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高崎 善人 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00334029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 克夫 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (00610057)
大貫 真友子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), 助教 (60771912)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 開発経済学 / 空間データ / プログラム評価 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、開発プログラム評価における空間データ~地理情報システム(GIS)データ・リモートセンシングデータ~の新しい可能性を探る。両者を統合する手法を開発し、新しい応用の可能性を体系的に検討することで、空間データを本格的に活用したプログラム評価(「空間プログラム評価(SPE: Spatial Program Evaluation)」と呼ぶ)の体系化を図る。それを途上国の開発プログラムに応用し、実証研究を行う。COVID-19に対応して、研究デザイン・構成・計画を変更し、主に次を実施した。 1. カンボジア調査:「埋設地雷とリスク選好・行動」、「紛争と社会統合」プロジェクトについて、現地予備調査の結果を踏まえ、文献調査、空間データ(埋設地雷、地雷除去、地雷事故、森林被覆、農村、道路、河川等)および社会経済調査データの分析を行い、調査フィールドを選定した。また、空間プログラム評価を応用して、大学院生主体で、次の2テーマについて分析を行った。1)埋設地雷ならびに地雷除去がどのように近隣住民の教育投資に影響したか。2)地雷除去は地雷事故抑制にどのような効果があったか。 2. ブラジル地域警察・犯罪調査:サンパウロ州公安局の協力のもと、州全域の地域警察拠点を対象としたサーベイ調査を実施し、併せて警官人事データの利用可能性を検討、協議した。空間プログラム評価を応用して、地域警察の犯罪抑止効果について予備的分析を行った。COVID-19の犯罪への影響に関する文献調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19に対応したカンボジア調査の変更、その実施に多大な時間を要した。カンボジア社会経済調査2021の一環として行うCOVID-19、健康、選好に関する家計調査は、カンボジア計画省統計局により、主に次年度に実施される。また、COVID-19の問題が深刻なブラジルでは、サンパウロ州公安局の協力における制約が大きく、プロジェクトに遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
1. カンボジア調査: COVID-19、健康、選好に関する家計調査を、カンボジア計画省統計局と協力して、継続して行う。1)埋設地雷・地雷除去の教育への影響、2)地雷除去の地雷事故抑制効果について研究を進める。「埋設地雷とリスク選好・行動」、「紛争と社会統合」プロジェクトについて、実験・調査デザインの検討を続け、COVID-19の状況に応じて、現地調査の可能性を探る。 2. ブラジル地域警察・犯罪調査:犯罪データの整備を引き続き行う。特に、位置情報が不十分・不正確な過去の犯罪データについて、位置情報を整備する。COVID-19の犯罪への影響について分析を行う。 3. 方法論研究:空間プログラム評価推定方法の開発を進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19に対応したカンボジア調査の変更、その実施に多大な時間を要した。カンボジア社会経済調査2021の一環として行うCOVID-19、健康、選好に関する家計調査は、カンボジア計画省統計局により、主に次年度に実施される。また、COVID-19の問題が深刻なブラジルでは、サンパウロ州公安局の協力における制約が大きく、プロジェクトに遅れが生じた。
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