2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive tracking study on mobility of adolescents in the stage of population decline
Project/Area Number |
18H05316
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 徹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (90263194)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
|
Keywords | 高等教育機会 / 人口減少 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年に全国23校4700名の高校3年生から得た調査データを整理し、研究グループ内で内容を検討した。そして、対象各校、対象県教育委員会、地域ごとにデータを分析し、結果を報告書として作成した。さらに対象学年の各校の進学実績データを把握し、11月時点の受験生の希望と進学実態のズレを数値化した。 これらの研究成果は、対象各校、教育委員会に報告書として提出し、コメントをいただくとともに、情報提供組織への知見のフィードバックを実践した。これにより、さらに発展的な課題として、各地域自治体や地元大学との共同研究や、学校を絞った事例研究、公開シンポジウムの計画を立てて次年度以降の研究課題とした。 量的調査とは別に、岩手県岩手町、鳥取県鳥取市、和歌山県紀南地域、石川県能登地域、島根県浜田市、福井県福井地域、愛媛県松山市などの特色ある地域における、若年層の人口流出について、研究に先行着手している研究者と情報交換を行い、新たに教育委員会職員や中等教育の現場の教員の聞き取りを行ったりした。 これらの研究の成果は、『Voters』、『都市研究』における学術論文のほか、ウェブ雑誌『現代ビジネス』での論説、朝日新聞、日本経済新聞などの記事として公開している。この他に学術講演、市民講座などでも、地方からの人口流出についての問題提起を行っている。 研究の起点にある研究である『学歴社会のローカル・トラック』の新装版を刊行し、その序文において研究動向を整理して提示している。また、ライフコースの長期追跡のための対象者の所在確認を始めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度の最終段階で、新型コロナウィルスの感染拡大防止の影響で、海外での事例研究や情報収集、対象地域への訪問などの活動を行うことができなかった。 また、一部の対象地域において調査対象校の学校長が、研究が学校の実践に影響を与えるとの判断から学術報告は認めないという一方的な通告をしてきた。誠心誠意対応を行ったが理解は得られていない。現状では学術報告が可能な情報には制限がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
ライフコースの聞き取り調査、各地域の事例研究、全国における先行研究の情報収集と成果のまとめ、量的調査の学会報告などを計画しているが、新型コロナウィルスの感染拡大のための政策の社会的影響が予測できないため、確実な実施は難しいと予測される。 これに適宜対応しつつ、これまでの研究成果を学会等で報告してレビューを受ける。状況が好転すれば、インタビューや現地訪問を伴う事例研究などを再開したい。
|
Research Products
(2 results)