2023 Fiscal Year Research-status Report
Local-tracking Structure of Youth in the Period of Population Decline
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20K20335
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 徹 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (90263194)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 進路選択 / 人口社会減 / 地方再生 / ライフヒストリー / 継続調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人口減少地域のからの若年層の流出に注目して、実態を様々な方法で調査研究してきた。とくに一時点における人の移動実態にとどまらず、中期・長期のライフコース上における人びとの水平移動の動きと、人生の諸段階における考え方の変化、そして人びとを移動させる社会学的な力学に注目した。 具体的には、沖縄県本島北部地域、石川県奥能登地域、福井県奥越地域、福井県嶺南地域、愛媛県西予地域、鹿児島県大隅地域、島根県出雲地域、島根県石見地域、和歌山県紀南地域において、地域の県立普通高校からの若年層の進学流出に焦点を絞って検討してきた。 2波の追跡調査では、まず2019年に各地域の約4000名の高校三年生に進学と将来についての調査を実施し、5年後の2023年時点で、そのフォローアップパネル調査を実施した。このデータは地域ごと、学校ごとの卒業生の人口流出の実態をみるマルチレベル多変量解析によって整理し、地域性、ジェンダー差、地元定着の契機などについて明らかにしつつある。これと並行して各地の高校において進学実績を教諭から聞き取り地域移動の動向を把握している。 他方で、島根県奥出雲町の出身者については、高校3年時、就職後の24歳時、25年を経た49歳時の3度の追跡半構造化インタビューを実施し、13名の30年にわたるライフコースを聞き取りデータとして収集した。 これらを総合し、若年層の地元定着、進学流出、都市定住、Uターンという地域移動が、いかなる要因によって規定されており、人生の各段階で人びとがどのような意識状態あるのかを描き出す研究を進めている。ミクロな個人の合理的選択が、マクロな人口減少をもたらすメカニズムを明らかにし、地域を維持しているのはどのような人で、いかなるライフコースをたどっているのかということについて、フィールドワークに基づいたモノグラフを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
聞き取り調査を計画していた2020年から2022年にかけて、新型コロナウィルス感染拡大のため、各地域を訪問して、対象者に直接接触して聞き取りを行うことが十分にできず、大幅に研究計画が遅延した。 量的調査も1年遅れで実施せざるを得ず、ライフコースの聞き取りは2023年度下半期になってようやく、13名の聞き取りが終了した状態である。これからトランスクリプトと内容分析を進めていくが、現状ではデータ収集の不可避の遅れが原因で、十分な検討の期間をもつことができていない。 量的調査データセットが完成したのは2024年2月である。調査自体は、コロナ禍を避けて実施したために、十分な回収結果を得ることができている。現在、調査進行の遅れを取り戻すべく現在解析を進めているが、未だ分析に十分な時間をかけることができていない。 そこで研究期間を延長し、得られたデータを分析し、連携研究者と研究会を実施し、学会報告を行うほか、当初予定していた書籍の執筆を開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、聞き取り調査データ、対象地域の資料収集、量的調査データの整理と基礎分析は終わっており、これから論文、書籍の執筆に向けて本格的な分析に入っていく。 とりわけ30年以上をかけた追跡半構造化インタビューデータは、希少性の高い情報をもつので、その方法論、実際の語りの言葉、それらに基づいた対象地域への政策上の示唆などを幅広く含んだ書籍を刊行すべく、調整中である。 同じ関心をもつ研究者と情報を共有して、総合的なローカルトラック研究の枠組みを構築し、それに基づいた学術発信を積極的に行っていく。
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Causes of Carryover |
第一次調査の実施が質的調査、量的調査ともに遅れている。そのため、データの記述的な情報の整理の後のフォローアップ情報収集ができていない。文献等の収集、研究のレビューを受けるための打ち合わせも十分に進んでいない。これらのために国内調査出張を実施する。 資料収集、追加調査の実施などを行うほか、学会報告、他の研究者による研究レビューと打ち合わせのための国内出張を行う。 書籍出版に向けた打ち合わせのために出張も行う。
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Research Products
(7 results)