2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the theory of diffusion equations for analysis on data separation
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18H05323
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
儀我 美一 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70144110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石毛 和弘 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (90272020)
行木 孝夫 北海道大学, 理学研究院, 教授 (40271712)
黒田 紘敏 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (80635657)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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Keywords | 全変動流方程式 / 拡散型偏微分方程式 / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
データ分離問題は機械学習の分野では基本的な問題であり、さまざまな解析手法が提案されている。この種の問題に対して、離散数学的手法を用いて何らかの評価関数を最小にするものを求める手法が主であった。しかしデータ数が増えると、離散的手法は計算量が増え困難になる。流体力学の研究に見られるように、各分子の動きをすべて追跡するよりも、いわゆる連続体近似を行って、平均量を解析したほうが、少ない計算量で知りたい結果がわかることが多い。そこでデータサイエンスにかかわる基本的な問題である2値分離、クラスタリング、時系列分離問題に絞り、微分方程式的手法の確立のための準備を行った。 本年度は特に2値分離問題で有用な全変動流方程式について考察した。一つは4階の全変動流型方程式である。これは2階のものよりよい面もあるようにみえるが、計算が困難であることが難点であった。本年度は4階の全変動流についてよい計算法を提案した。また回転群や球面に値を取る場合のデータ分離問題の場合、全変動流方程式としては多様体値の関数についての方程式が必要である。そのような方程式についての空間離散版についての効率のよい計算法を確立した。その鍵となる考え方は、変分問題を多様体の接平面で解き、多様体上には指数写像で射影するというもので、これによりさまざまの全変動写像流の計算(空間離散版)が容易になった。 小林-Warren-Carterモデルについては、その特異極限について考察した。その特異極限を求めるには、従来のL^1収束では粗すぎより細かい位相で収束を考える必要があることがわかった。空間1次元ではあるが、小林-Warren-Carterエネルギーの特異極限を特徴づけることに成功し、論文を準備中である。時系列についての異常検知についても成果をあげている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全変動流方程式について4階の方程式や写像流方程式について、数学解析の理論だけではなく、数値計算法の確立とその収束性を証明できた。また、小林-Warren-Carterモデルについては従来全く考察されていなかった問題に対して成果をあげられた。この点だけを見ても、計画どおり順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
小林-Warren-Carterエネルギーの理解を深め、その1次元問題の特異極限の特徴づけについては結果を論文として出版する一方、高次元の問題の理解を深める。また、グラフ上の全変動流?連続問題との対応を考察する。例えば、グラフの頂点の数を増やすと連続問題に収束するかという問題、つまり連続と離散?関係について考察していく。
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Research Products
(8 results)