2020 Fiscal Year Research-status Report
焼成不要の環境低負荷水熱法による緻密化プロセスの開発
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20K20357
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中平 敦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90172387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 要 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 上級研究員 (00397522)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セラミックス / 無焼成 / 水熱 / ソルボサーマル / ポーラス材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎的な研究により、各種のナノポーラス材料を用いて、新規改良型水熱プロセス処理において溶解・再析出メカニズムを制御する知見を得た。本年度はこれにより従来プロセスでは緻密化困難なナノポーラス体(層状粘土鉱物やゼオライト材料等)の緻密化のための改良型水熱プロセスの開発に成功し、緻密化のための合成パラメータ(温度、保持時間、昇温速度、溶媒など)を明らかにした。 特に、ゾルゲル法や通常の水熱合成およびソルボサーマルプロセス条件でのソフトケミカル水溶液プロセスにて原料を種々の合成パラメータ(温度、保持時間、昇温速度、溶媒など)を合成し、それらの種々のキャラクタリゼーションを行った後、緻密化のための改良型水熱プロセスにて、機能性セラミックス材料などのバルク化を進めた。これらのバルク体の構造評価並びに種々の物性評価をXRD、FT-IR、XAFS、固体NMR、SEM、TEMにて詳細に行った。これにより、特に種々のナノセラミックスに対して100~300℃の温度域における改良水熱プロセスにて最適なパラメーター条件にて処理を行うことで、緻密化挙動を制御しながらバルク化や膜化をターゲットとして進めるための基礎的研究を進め、当初の予定していた成果を得た。 この成果を基に最終年度に進むため、本研究目的であるセラミックスを高温焼成することなくバルク化(緻密化)するための低温プロセス化の確立を新奇なナノ材料に対して一層進める計画を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノセラミックスを対象に、中低温域(100℃~300℃)での改良型水熱プロセス処理によって、セラミックスを高温焼成することなくバルク化(緻密化)するプロセスの開発を行うために必要な基礎的な研究を概ね計画通り行なう事ができた。それらの成果は当初予定したスケジュールに沿うものであり、概ね順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度はそれらの結果をベースとして、緻密化困難なナノポーラス体の緻密化のための改良型水熱プロセスの開発の確立を目指して、種々の機能性酸化物セラミックス、最近多孔性機能性材料として注目の金属有機構造体(Metal Organic Framework:MOF:金属イオンと有機配位子で構築される多孔性材料)などのセラミックスおよび有機無機ハイブリッド材料を対象として研究を進めるため、種々の機能性酸化物セラミックスおよびMOFなどをゾルゲル法や通常の水熱合成およびソルボサーマルプロセス条件でのソフトケミカル水溶液プロセスにて原料を合成し、それらを用いて、緻密化(バルク体或いは緻密膜)を進める。得られた材料について構造組織評価並びに種々の物性評価をXRD、FT-IR、XAFS、固体NMR、TEMにて詳細に解析する。併せてアパタイト系の材料について改良水熱プロセス合成条件で無焼成によるバルク化を進め、水熱条件下でのこれら材料の挙動と材料のキャラクリゼーションをXRD、FT-IR、XAFS、固体NMR、TEMにて詳細に解析を進める。この成果を基に最終年度に向け、本研究目的であるセラミックスを高温焼成することなくバルク化(緻密化)するための低温プロセス化の確立を進める予定である。
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Research Products
(3 results)