2020 Fiscal Year Research-status Report
スペクトル拡散音波を用いた小型分散ロボットの協調制御のための測位システム
Project/Area Number |
20K20374
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 直 京都大学, 農学研究科, 教授 (20183353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 弘明 京都大学, 工学研究科, 講師 (50283635)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スペクトル拡散音波 / 複合航法 / モーションキャプチャ / INS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,スペクトル拡散(SS: Spread Spectrum)音波測位システムを利用した小型分散ロボットの航法システムを開発する。本年度は,SS音波測位システムとIMUなどのセンサデータを複合した航法システム(SS複合航法システム)を評価するために,モーションキャプチャシステムを利用した評価システムを構築した。モーションキャプチャシステムとSS複合航法システムの同期,および座標系を合わせるためのキャリブレーション方法の構築を行った。クローラ型ロボットにSS複合航法システムを搭載し,SS音波測位システムの動的精度の評価を行った。このときのSS音波測位システムは,FDMA(周波数分割多重接続)を併用して250 ms毎に計測を行った。スピーカは,約5 m四方に配置し,その中でクローラ型ロボットを移動させた。クローラ型ロボットの移動速度が約0.25 m/sのとき,ドップラー補償が無い場合は75 %以上計測できなかったのに対し,ドップラー補償を入れることで99.99 %以上で計測が行えた。また,そのときの2次元位置の計測精度は41.2±27.5 mmであった。本システムの静止位置の2次元位置の計測精度は37.9±20.4 mmであり,動的精度も同様な値となった。 また,SS音波測位システムとINSの複合航法に関するシミュレーションを行った。本研究では,事後確率を基にした複合方法を提案し,EKF(Extended Kalman Filter)と比較した。シミュレーションの条件は,スピーカ位置は14 m四方(4つ)に配置し,IMUは100Hz周期で計測,SS音波は4Hz(各スピーカの周期は1 s)に設定した。移動速度は,0.1 m/sと2.0 m/sとした。その結果,提案手法はEKFより精度が高く,2.0 m/sでも収束した解を得られていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症により,実験装置の構築が遅れ,実験回数も少なかったことが主な要因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、GPS-likeコンフィギュレーションのSS音波測位システムとIMU、地磁気センサ、気圧センサのデータとSS音波のデータを同期させながら取得する受信機の開発を行った。さらに、そのシステムの位置と姿勢の計測精度を評価するために、モーションキャプチャを利用した評価システムの構築を行った。しかし、モーションキャプチャにより評価した誤差は、過去にトータルステーションで評価してきた誤差より少し大きい。今後、その誤差要因を検討し、キャリブレーション方法を見直す。次に、開発した受信機をマルチコプタに搭載し,飛行中のローターの雑音の影響,飛行速度およびその変化によるドップラーの影響と計測精度について評価する。さらに,そのとき得られる実際のセンサデータを用いて複合航法処理の評価を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症により実験が遅れたため。実験材料などの物品費,研究員の雇用費,出張などの旅行費,論文掲載費などに使用する予定である。
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Research Products
(4 results)