2018 Fiscal Year Annual Research Report
エタノール放出発熱ポリマーによる微小肺癌のMRIガイド下注入硬化治療法の開発
Project/Area Number |
18H05377
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
島田 順一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60315942)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | エタノール放出ポリマー / 固形癌治療剤 / 局所硬化療法 / 超高磁場MRI / 非磁性針 / 高マンガンステンレス鋼 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者や合併症を有する患者に対する消極的縮小手術や放射線治療などの代替治療法として、エタノール放出ポリマーによる局所硬化治療法の確立を目指し基礎的件検討を挑戦的萌芽研究15K15517で行った。。この治療方法を放射線CTのガイド下ではなくMRIガイド下で施術可能にすることで、樹脂注入を可視化しつつ行えるように開発するものである。初年度には、樹脂の合成を将来の産業化も考えて東亞合成㈱RD担当として、MRIガイド下での検討を開始した。初年度に続き、東京女子医大の実験用の0.3TのMRIで撮像結果を確認し、今年度、穿刺用の21Gの生検針を高マンガンステンレス鋼で試作製造して、0.3TのOPEN MRIシステムで撮像したところ、先端部のみ微小なアーチファクトが生じるのみで、針のシャフト部分には全くアーチファクトないことを確認できた。従来の非磁性金属316Lよりもノイズ少ない結果であった。 2019年6月に東京女子医科大学の研究体制の変更で、0.3TMRIでの実験が困難になった。この結果、自学に整形外科学、神経内科学領域での研究用に7T実験用MRIが稼働していることを知った。格段に超高磁場の実験装置であり、動物用であり、初年度の実験器具を小型化して試作しなおし、測定条件を金属針ありのT1強調、T2強調、GMS、硬化樹脂を明確化できる樹脂条件を実測実験で決定した。実際の医療応用への開発であり、新規材料の高マンガンステンレス鋼の短期のGLP試験を外注で行い、将来の臨床使用可能との結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年6月に東京女子医科大学の研究体制の変更で、0.3TMRIでの実験が困難になった。この結果、自学に整形外科学、神経内科学領域での研究用に7T実験用MRIが稼働していることを知った。格段に超高磁場の実験装置であり、動物用であり、初年度の実験器具を小型化して試作しなおし、測定条件を金属針ありのT1強調、T2強調、GMS、硬化樹脂を明確化できる樹脂条件を実測実験で決定した。この間の施設の調査・探索に時間がかかり、実験器具の作成しなおしとなったため、遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
将来の臨床使用をみすえて、臨床用の0.3TのOPEN MRIを現有している機関と共同研究を開始したが、人員面での研究体制の変更が生じた。結果的に、自学内で7T MRIの小型の実験用MRI装置で、実験を遂行する体制に変更することになった。世界の臨床医学のMRI装置も、7Tの世界に向かいつつあり、日本にもいずれ超高磁場MRI装置が導入されるときがくることを考えると、7Tの実験装置で実験知見をかさねて、世界初の成果を得て、社会に還元したい。
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