2018 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of brain-state of creative insight: switching of large-scale brain network
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18H05395
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
小川 剛史 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (10614323)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 創造性 / ひらめき / fMRI / 脳機能 / 高次機能 / データ駆動 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、このような「ひらめき」による創造性の認知機能を用いた問題解決に関わる脳内メカニズムを解明することである。しかし、ひらめき自体が非常に稀なイベントであるため、限られた脳活動計測の実験時間内で反復的に計測することは非常に難しい。 そこで、申請者らが開発したマッチ棒クイズを用いて、1人の被験者から複数日にわたるfMRI実験によってひらめきイベントが取得可能かどうかを検討した。そこで、予備実験として1人の被験者は3日間実験に参加し、被験者から脳活動データおよびひらめき課題の行動データを取得可能か検証した。その結果、十分な試行数のひらめきイベントを取得することに成功し、ひらめきとそれ以外の情報処理のプロセスに違いがあることを示唆する結果を得ることができた。当初、申請者はEEG-fMRI同時計測によるデータ取得を計画していたが、MRI対応EEG計測装置の故障により、EEG-fMRI同時計測実験の実施に支障が出てきた。そこで、fMRIのみの計測を行い、脳活動パターンの変化や動的な脳活動パターンの違いについて集中的に解析を行い、fMRIデータの解析を先行して進めることに修正した。 次に、EEG計測装置の使用が可能になったのち、安静時脳活動のEEG-fMRI同時計測を行い、fMRI信号と関係するEEG信号の抽出が可能かどうかについて、SPLICE法を用いて検証した。様々なネットワークについての知見を得ることはできたが、個人のばらつきや計測ノイズなどの処理が必要であることが判明し、引き続き信号の前処理なども含めて解析法の検討を継続する必要があることが分かった。また、データ駆動的な統計的因果解析の適用可能性を検証するため、運動想像中のfMRIデータを評価データとして検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRI同時計測を行う予定だったが、使用する予定のMRI対応EEG装置およびMRI対応脳波キャッ プに不測の故障が生じた。当装置は本研究の遂行に不可欠であり、修理・調整が必要となった。実験の再開と日程調整および実験プロトコルの見直しも行うため、脳活動計測実験の再開までに6ヶ月間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
fMRIのみでの脳活動データ計測を先行して行い、ひらめきに関わる実験データの取得を行うよう変更した。また、解析法の開発については、すでに計測済みの安静時におけるEEG-fMRI同時計測のデータを活用し、解析法の適用可能性について検討を行い、機器の故障に伴う遅延を最小限にとどめるよう、柔軟に対応しながら研究を進めた。今後も、このようなトラブルに対しては迅速に対応し、当初とは異なる計測法および解析法を検討しつつ、研究を遂行する。
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