2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K20404
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岡村 昌宏 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員研究員 (80332245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 一匡 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (10707475)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中性子 / Inverse kinematics / BNCT / RFQ / リチウム / レーザーイオン源 / 高強度イオンビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
BNCTへの応用を目指して、不要な放射線発生を限りなく抑制できる中性子発生ドライバーとして使用できる、高強度リチウムビーム加速に関する研究を行った。通常の加速器駆動中性子発生源としては陽子ビームが用いられるが、これに対して本研究では効率良くリチウム3価ビームを発生しドライバーとする事を目的とした。これによって、発生する中性子は前方に集中的に供給されるため、閾値付近での反応を利用できることになり、不要な放射線を発生することがな い。 本研究予算はコロナウイルスの影響で2020年度で終了予定であったが最終的に3年間の繰越を行うこととなった。これは主に実験研究については研究者の移動が不可能であったことに起因する。この間、日本、アメリカ、チェコ、中国の4箇所で協調して リモートワークを中心に研究を行った。2022年度後半から実験を再開し、新たに設計された収束用電磁石やシンチレーターによってビームのイメージング等が可能となった。この結果、世界最高強度のリチウムイオンビーム加速ビームが観測された。加速ビームを分析した結果、ピーク電流は35mAに及び、同位体であるリチウム6や酸素、窒素などの不純物は合計で2%以下であることが示された。この高純度で大強度ビームを得る方法が確立したことによりリチウムビームドライバーを使ったクリーンなBNCT用中性子発生装置が建設可能であることが実験的に実証された。研究の過程で複数本の論文を発表し、最終結果についてはサイエンティフィックレポート誌に発表した。この論文はすでに1300回以上閲覧されており、今年度3回の招待講演を国際会議で行うことが決定している。
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Research Products
(13 results)