2019 Fiscal Year Annual Research Report
在来知識を再構築し生業道具を保存活用するための統合的研究
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19H05482
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯澤 規子 法政大学, 人間環境学部, 教授 (20409494)
吉澤 樹理 立教大学, 理学部, 教育研究コーディネーター (20779855)
厚 香苗 大東文化大学, 文学部, 准教授 (40598182)
橋本 操 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (80813443)
小野 映介 駒澤大学, 文学部, 准教授 (90432228)
Mangin Alexandre 立教大学, 文学部, 助教 (70465376)
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 生業 / 在来知識 / 物質文化 / 地理学 / 技能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1) 国内外における物質文化研究の学史的検討と体系化、2) 生業道具の記載・記述の再検討、物質文化資料の形態・機能にストーリーを含めた情報体系の記述方法をつくるための基盤構築を中心に研究を実施した。 1)では、博物館および専門学芸員養成の歴史から、民俗学、歴史学、地理学等分野との関連および博物館での物質文化資料収集と活用の歴史と実態をレビューした。 2)では、①国内主要博物館および②特徴的な地域生業文化を取り上げた施設に赴いて実地共同調査を行った。①では生活道具の体系的な収蔵・整理と活用のシステムを比較し、博物館資料をもとにした生活用具に関わる自然と人間との関わり、生物の特性理解と利用、効果的な生活情景説明に関して、展示の実践と分析・論文執筆に至る過程が明らかになった。②では、住民に馴染みある道具展示や実物展示を行う施設があることにより、外来者による疑問質問と地元住民のもつ在来知識との往復が可能となり、地域文化を広めるとともに地域内での文化継承への促進の場になることがわかった。これらをもとに全国の関連博物館へのアンケート調査の項目検討を行い、次年度実施のための準備を進めた。 本研究で企図しているフランスの物質文化・民俗研究と上記課題との比較においては、現地で博物館および伝統知識技術に関わる建造物、生活用具に関する民俗系資料の展示、そのディレクション、関連資料の収集状況を調査した。視聴覚の重視や生業生産活動も含めることによる来訪者の知識習得の場としての機能を明らかにした。 在来知識と技能に関する実践の実証研究については、国内において今後の海外研究との比較が可能となる藁製品(祭礼道具)の製作と活用による継承について埼玉県東松山市を事例に実地調査を行い、さらにアンケート調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次年度以降に実地研究を予定している南アフリカとラオスでの生業活動と生業道具資料の収集研究を実施するために、現地調査体制を構築し、現地研究者を交えて次年度以降の調査立案と予備調査を予定したが、新型コロナ感染症の蔓延により渡航を中止したため。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航および調査が可能になったら、現地研究協力者と協議の上、すみやかに現地へ赴き準備を進める。
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Research Products
(14 results)