2021 Fiscal Year Research-status Report
在来知識を再構築し生業道具を保存活用するための統合的研究
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20K20414
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厚 香苗 大東文化大学, 文学部, 准教授 (40598182)
小野 映介 駒澤大学, 文学部, 教授 (90432228)
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808) [Withdrawn]
橋本 操 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (80813443)
Mangin Alexandre 立教大学, 外国語教育研究センター, 教育講師 (70465376)
湯澤 規子 法政大学, 人間環境学部, 教授 (20409494)
吉澤 樹理 関西福祉大学, 教育学部, 講師 (20779855)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 道具 / 生業 / 環境 / 資源利用 / 在来知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、1)生業活動における道具利用の諸側面の事例収集、2)竹製品への注目、3)道具使用と身体性、4)物質文化資料の記録方法の開発について研究を進めた。 1)では、多様な生業活動および資源利用で用いられる諸道具にかかわる在来知識と技能および環境との関係に関する事例収集を進めた。生物資源・環境に関する事例として昆虫利用における伝統的道具とそのイノベーションに関して国際比較を行った。食に関わる生業道具と直接的、間接的に関わる事象として、「市場」や「台所」、「火」や「竈」に関する情報収集、および分析を進めた。2)では、広範な物質文化・道具の中で多様性をもち多面的に利用されアジアを中心に世界比較の可能な竹製品に注目する方向付けを行った。これに基づき、国内調査では「竹繩」を対象として、用途、担い手、時代変化、保存会による製作技術の保存継承の実態を調査した。あわせて、竹を用いた道具の使用実態・活用の研究に向けて、博物館収蔵資料の利活用を進めるための検討を行った。さらにフランスのエコミュージアムにおける生活道具の活用の研究を進めた。また教育における活用方法の構築を進めた。3)では、道具の活用の身体性を検討するため、在来知識から構成される「調理」「レシピ」の歴史的展開についての調査研究を進め、そこに新たに加わる「栄養」に関する知識がどのような影響を与えたのかを考察した。また、動作を映像記録するためのシステム構築の研究を進めた。4)では、物質文化資料およびその使用状況の映像資料撮影・編集とデータベース構築の方法の開発を進めた。現場の状況や対象物の種類・サイズに柔軟対応できる装備と撮影技術作り、Web上でデータの追加修正と共有が容易にできるシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の世界的蔓延が続いていたため、国内での調査や会議、海外調査予定国への渡航・現地での研究調査活動に制限があり、予定通りにできなくなった。先の見通しがたたなかったので、当初の構想に即した適切な調査計画をたてることができなかった。そのため現在までの進捗状況は遅れていると判断せざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外での現地調査による資料収集とその分析が研究の主軸であるため、新型コロナ感染症の発生状況に留意して、活動可能になったときにはすみやかに現地調査活動ができるよう、現地の関係諸機関および研究協力者らと密に連絡をとって実施計画をたてる。また、現地調査を中心とした研究課題と計画であるが、研究対象となる道具に関する計測・測定技術の開発や活動を把握するためのセンシング技術開発を進めて、効率的な実地調査と資料の適切な情報化が行えるよう、次年度以降の研究実施に備える。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症蔓延のため、当初計画した海外調査ならびに国内現地調査ができなかった。次年度状況の改善に応じて海外調査および国内調査を遂行する。
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Research Products
(16 results)